エレナ
 「だいじょ〜ぶですか、ミントさん!?

ミント
 「こんなふざけたカッコのヤツに負けるなんて……。

デューク
 「星になりきった今の俺に敗北はないっ!
  スターは無敵のしるしだぜ!

エレナ
 「おねがいですデュークさん! ミントさんをいじめないでください!

デューク
 「そうはいかないぜ。勝負の世界は非情なのさ。
  どちらかが倒れるまで戦う……それがルールだ!

エレナ
 「そんな……。
  ミントさんは、お父さんを助けるために親切で【遺産】を探してるのに……。

デューク
 「……なんだって?

 「おい、ちょっと待ってくれ。『お父さんを助けるため』だと?
  おじょうちゃんそいつはどういう意味だ?

エレナ
 「それはですね お父さんの研究……。

ミント
 「エレナ、ストップ!

エレナ
 「? どうしたんですか?

ミント
 「いいコト思いついたの。耳かして!
  デュークの質問には、こう答えるのよ!


デューク
 「教えてくれ、どんな事情があるんだ?

エレナ
 「実は……うちのお父さんは重い病気にかかってるんです!

デューク
 「な、なにィ!?

エレナ
 「お医者さまも見はなした不治の病であと半年……いえ、3か月の命なんです。
  もしかしたら明日にでも! ああっ……お父さん!!

デューク
 「まさか……まさかまさかま・さ・か!
  おまえたちが【遺産】を探すのは……。

エレナ
 「ミントさんは、自分のために【遺産】を探しているんじゃありません。
  自分とはぜんぜん関係のないうちのお父さんを助けるために
  危険な冒険をしているんです。
  そんな親切なミントさんをいじめないでください!

デューク
 「ガーン!!

ミント
 「こんなやつに言ってもムダよ、エレナ。あたし、おとなしくやられるわ。
  帰ったらお父さんに伝えてちょうだい。ミントが先に天国で待ってるって……。

エレナ
 「そんな……親切なミントさんが傷つくなんてひどすぎます!
  お願いですデュークさん。今日だけは見逃してください!

ミント
 「エレナ、あなただけでも生きてちょうだい。
  強く! そして美しくはばたくのよ!

ミント&エレナ
 「エレナ!
 「ミントさん!


デューク
 「自己犠牲と献身、そして……美しい友情。
  なんて感動的なドラマなんだ! ……ちくしょう、ホロリときたぜ。

 「それにひきかえ、この俺は……!!
  知らなかったとはいえ、けなげな女の子たちを苦しめちまった……。
  俺ってなんてイヤなヤツなんだ!! バカバカ、俺のバカ!

 「ううっ!? そんな清らかに澄みきった瞳で俺を見ないでくれ!
  どうせ俺は、みにくい心の汚れた大人なんだよっっ!!

 「お、俺を見るなぁぁっ!
遥か彼方へすっ飛んでいく……


ミント
 「まさか本当にひっかかるとは思わなかったわ……。

エレナ
 「ミントさん……。

ミント
 「なに?

エレナ
 「うちのお父さんって……そんなに重い病気なんですか〜!?

ミント
 「……………………。
  あんたがひっかかってどーすんのよ。