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ファンシー・メル



≪カローナの街≫

クラウスの店の地下
クラウス
 「ミント君! 無事に帰って来てくれたか! いやあ、よかったよかった。

ミント
 「うーん……無事ってわけでもないのよね。実は……。


クラウス
 「なるほど。ベルとデュークという連中がティアラを盗んでいったのか。

ミント
 「ほんっっと腹立つわ! 今度会ったらシメてやるっ!

クラウス
 「まあまあ、そうカッカしないで。盗まれたものはいつか取り返せばいい。
  それまではこのキューブを研究しよう。
  ミント君が無事に帰ってきてくれただけで充分うれしいさ。
  早く君が帰ってこないかと首を長くして待っていたんだ。
  話したいこともあったしね。

ミント
 「話したいこと? もしかして、なにか新しい情報?

クラウス
 「そうとも。私だって、ただ遊んでいたわけじゃない。
  ミント君が地下迷宮に行っている間に
  森のアトリエから持ってきた資料をじっくり調べ直してみたんだ。
  そうしたら……。わかったんだよ! エイオンの【遺産】のありかが!

ミント
 「ホント!?

クラウス
 「ああ、間違いない。【遺産】は私たちのすぐ近くにあったんだ!
  湖に浮かぶ湖水の遺跡にね!!

ミント
 「どこどこどこ! その遺跡ってどこにあるの?

クラウス
 「湖水の遺跡は、この街の近くにある大きな湖の中央に浮かんでいる。
  誰がつくった遺跡なのか、まったく記録が残っていなくて、
  私もふしぎだったのだがまさかエイオンの遺跡だったとは……。

ミント
 「じゃあ、その遺跡の封印をぶっこわせば【遺産】が手に入っちゃうのね!?

クラウス
 「ああ、そうとも! そして……。

 「このキューブは、湖水の遺跡の封印を解くためにつくられたものらしい。

ミント
 「出発よ!

クラウス
 「え?

ミント
 「そのキューブがあれば【遺産】の封印を解けるんでしょ?
  だったら、もたもたしてないで今すぐ湖水の遺跡に出発よ!

 「ああ……。 ついに……ついにっっ!
  夢にまで見た【遺産】があたしのモノになるのね……。

クラウス
 「いや、ダメだ。

 「まだ重大な問題が残っているからね。

ミント
 「問題ぃ!? なによそれ!?

クラウス
 「たしかにキューブを使えば封印を解除できるだろう。

ミント
 「ぜんぜん問題ないじゃない。キューブはここにあるんだから。

クラウス
 「でも……このキューブはどうやって使うんだい?

ミント
 「あ。

クラウス
 「見たまえ。取っ手もふたも説明書もないただの四角いカタマリだろう。
  こんなもの、どうやって使えばいいのかまるで見当がつかないんだよ。

ミント
 「思いっきりぶっ叩いたら……。手の方がこわれそーね。

クラウス
 「さて、どうしたものか……。

ミント
 「サテもナニもないわ!
 【遺産】の場所をつきとめたし封印を解くカギもここにあるのよ。
  なんとかしてキューブの使い方を調べる方法はないの?

クラウス
 「うーん……そうだなあ。
  あの人に頼めば、ひょっとしたらなんとかなるかもしれないが……。
  あの人だけは、どうも苦手だ。かかわりあいに、なりたくないな……。

ミント
 「どーしたの、クラウスさん? あの人って誰?

クラウス
 「………………。

 「魔導士メルという人物がいてね。
  森の向こうにアトリエをかまえて魔法の研究をしているんだが……。
  なんというか、常識をはずれたセンスの持ち主でね。お近づきにはなりたくない。
  他の人ならいざしらず、メルに頼むのは気が進まないんだよ。

ミント
 「でも、そのメルって魔導士に頼めばキューブの使い方がわかるんでしょ?
  だったら行くしかないじゃない。

クラウス
 「たしかにその通りなんだがね。
  だがミント君、ひとたびメルのアトリエに行けば、君も考えを変えると思うがなあ。
 『こんなところに来なければよかった!』ときっと後悔するぞ。

ミント
 「そんなの行かなきゃわからないわよ。
  いーわ! あたしが行ってくる。【遺産】のためなら、どこへだって!

クラウス
 「……わかった。ミント君に甘えてばかりですまないが今度もお願いするとしよう。
  メルのアトリエへの道を教えるよ。それと湖水の遺跡がある湖への道もね。

 「ミント君、よろしく頼むよ。


クラウス
 「一度だけメルのアトリエに行ったことがあるよ。
  恐ろしい場所だった。私はメルに会う前に逃げ出してしまったよ。

 「メルのアトリエは、子供たちには人気があるんだがね……。

 「魔導士メルは、まったく歳を取らないんだ。すごい魔力を持っているらしいね。

 「ティアラのことは気にしなくていいよ。誰にだって失敗はある。


クラウスの店
エレナ
 「ミントさん、おつかれさまです〜。お仕事、はかどってますか?

ミント
 「ねえエレナ。メルって人、しってる? これからその人のところに行くんだけど。

エレナ
 「えーっと……メルさんって……。
  あっ! ファンシーさんのことですね! 知ってますよ〜。

ミント
 「…………ふぁんしぃ、さん???

エレナ
 「おもしろいところですよ。ミントさんも気に入ると思います♪

ミント
 「どーいう場所なの?

エレナ
 「それは見てのお楽しみです♪


エレナ
 「ファンシー・メルさんのアトリエはとってもおもしろいところですよ〜。

 「わたし、メルさんのアトリエによく遊びにいくんです♪

 「お父さんは、どうしてメルさんのことをこわがってるんでしょ〜ね?


噴水広場
マルコ
 「この噴水の水は、湖から引いてるんだよ。

 「街の近くに、湖があるんだよ。あの湖には、魚がいないんだ。なんでだろう?

 「ねえねえ、知ってる? ゴロツキ兄弟が、宿屋でドロボウしようとして……。
  ベルって人におしおきされたんだ!


マーカム
 「街の近くに、美しい魔女が住んでいるそうです。
  ぜひお会いして、取引契約を結びたいですな。

 「クラウス氏の店には面白い品がそろっていますな。
  私の商会と、取引をお願いしたいものです。

 「ホッブス氏の店にゆきましたがいささか値段が高すぎますな。

 「よい取り引きの話があったらどうぞ声をかけてください。
  信用第一で、取り引きさせていただきますぞ。
 

≪湖畔≫

ミント
 「あれが湖水の遺跡……。あそこに【遺産】があるのね。

 「ナマイキな妹に国を追い出され【遺産】を探し求めてはや2年……。
  ついに! ここまで来たわ! んっふっふっふっふっふ……。

 「もーすぐ【遺産】を手に入れてこのミント様が世界を征服してやるわ!
  待ってなさいよ、マヤ! そしたら、あんたは一生トイレ掃除よ!

 「マヤのばかやろ〜っ!
  どあほ〜っ!
  インケン!
  とんちき!
  !?!?!?(読めませんでした)
 

≪メルのアトリエ≫

入口
ミント
 「な、なんて悪趣味な……。ファンシーにもほどがあるわね。


アトリエの外
ミント
 「アタマ痛くなってきた……。クラウスさんがイヤがるのもわかるわ。


ドアをノックするとファンシーな音がする
ミント
 「なぬ!?

もう一度ノック
ミント
 「ミョ〜なしかけね。メルって人、どーいう神経してるんだろ?

ノックしまくる
ミント
 「メル〜? 留守なのー?

???
 「メルは、おでかけしてるからもうちょっと待つのだ〜。
  そのあいだに、ボクたちとあそぶのだ〜。


ポプルプルル人
 「おまえ、あそんでいくのだ〜。
  ボールがゴロゴロで、おもしろいのだ〜!
あそぶ
→ミニゲームへ

やめておく
→なにもなし
ポプルプルル人
 まだあそぶのだ〜
まだあそぶ
→続行

ばいばい
→終了
ポプルプルル人
 「キノコボーヤをたたくのだ〜。たたけば、点が入るのだ〜。

 「ひっこんでるときにたたくとしかえしされるので気をつけるのだ〜。

 「時間がなくなったらおわりなのだ〜。

 「ハイスコアは500点なのだ〜。

 「それ以上とれたらいいものやるのだ〜。

 「ゲームはじめるのだ〜。

ハイスコアゲット!
ポプルプルル人
 「ハイスコアなのだ〜。
シルバーコインをゲット!
ハイスコアならず
ポプルプルル人
 「おしまいなのだ〜。
(200点以上なら)
ブロンズコインをゲット!
ポプルプルル人
 「おまえ、なかなかやるのだ〜。またこんどあそぶのだ〜。

ポプルプルル人
 「ボクとあそぶのだ〜。ブランコがユ〜ラユラで、たのしいのだ〜!
あそぶ
→ミニゲームへ

やめておく
→なにもなし
ポプルプルル人
 まだあそぶのだ〜
まだあそぶ
→続行

ばいばい
→終了
ポプルプルル人
 「ふってくるボールをどんどんとるのだ〜。
  同じ色のボールをとると点が高いのだ〜。

 「黒いボールをとると点が減っちゃうのだ〜。

 「時間がなくなったらおわりなのだ〜。

 「ハイスコアは500点なのだ〜。

 「それ以上とれたらいいものやるのだ〜。

 「ゲームはじめるのだ〜。

ハイスコアゲット!
ポプルプルル人
 「ハイスコアなのだ〜。
シルバーコインをゲット!
ハイスコアならず
ポプルプルル人
 「おしまいなのだ〜。
ブロンズコインをゲット!
(200点以上なら)
ブロンズコインをゲット!
ポプルプルル人
 「おまえ、けっこうすごいのだ〜。ボク、おどろいたのだ〜。


ポプルプルル人
 「あそんでゆくのだ〜。ラッパがプップクプーで、ゆかいなのだ〜。
あそぶ
→ミニゲームへ

やめておく
→なにもなし
ポプルプルル人
 まだあそぶのだ〜
まだあそぶ
→続行

ばいばい
→終了
ポプルプルル人
 「まるいのをふむとラッパがプーなのだ〜。
  プップクプーでモケ鳥をおどかすのだ〜。

 「モケ鳥をおどかすと点が入るのだ〜。
  まとめておどかすと、点が高くなるのだ〜。

 「時間がなくなるかモケ鳥が頭にとまったらおわりなのだ〜。

 「ハイスコアは500点なのだ〜。

 「それ以上とれたらいいものやるのだ〜。

 「ゲームはじめるのだ〜。

ハイスコアゲット!
ポプルプルル人
 「ハイスコアなのだ〜。
シルバーコインをゲット!
ハイスコアならず
ポプルプルル人
 「おしまいなのだ〜。
ブロンズコインをゲット!
(200点以上なら)
ブロンズコインをゲット!
ポプルプルル人
 「クリアおめでとうなのだ〜。ほめてやるのだ〜。
 
ドアをノック
???
 「あら、お客様かしら?

ミント
 (…………………………………………………。
  …………………………………………………。
  …………………………………………………。
  スゴイよ、この人……………………………。

ファンシーな人
 「どうしたの、あなた? さっきから黙りこんじゃって。
  わたしの頭に、なにかついているのかしら。

ミント
 「その……世の中にはいろんな人がいるなー、と思って。

ファンシーな人
 「あら、それってどういう意味?

ミント
 「なんでもないわ! こっちの話。もしかして、あんたがメル?

ファンシーな人
 「ええ。私がメルです。

メル
 「ファンシー・メルと呼ぶ人もいるわね。

ミント
 (…………そのまんまね。


アトリエの中
メル
 「ふうん……あなたたちは湖水の遺跡の封印を解くつもりなのね。

ミント
 「そーゆーこと。だからこのキューブの使い方を知りたいの。

メル
 「やめておきなさい。

ミント
 「へ?

メル
 「ミントといったわね。あなた、自分がなにに手を出そうとしているかわかってる?
  とてつもない魔力を秘めた【遺産】は決して子供のおもちゃじゃないわ。
  不用意にさわれば……。

 「ボン! よ。

ミント
 「うひゃあ!?

メル
 「あはは♪ おどろいた?

ミント
 「あ、あんたねえ!

メル
 「ごめんなさい。でもねぇ、ミント。あなたも魔法使いのはしくれなら知っているはずよ。

ミント
 「はしくてってナニよはしくれって!

メル
 「あら、口がすべったようね。訂正するわ。
  一人前の魔法使いなら【遺産】の恐ろしさを知っているはずよ。

ミント
 (なんか引っかかるわね。

メル
 「【遺産】を手に入れようとして逆に破滅した魔導士は何人もいるわ。
  それにね……湖水の遺跡をのこしたエイオンは……ヴァレンよ。

ミント
 「へ? 誰それ?

メル
 「ヴァレンの名前も知らないの? 困ったものね。いいわ、教えてあげる。
  エイオンたちの中でも最大最強の魔力を誇った至高の存在。それがヴァレンよ。
  指先ひとつで山脈を生み、星々の動きをも変える力があったと伝えられているの。

ミント
 「でも結局、他のエイオンともども滅びちゃったわけでしょ。

メル
 「そうね。たしかにヴァレンは滅んだわ。
  その原因はわからないけれど、あまりに魔力が強すぎたせいで自滅したらしいわね。

ミント
 「へー、そうなの?

メル
 「あなた……わかってるの? ヴァレンはそれほど危険な存在なのよ。
  そんなエイオンの【遺産】を解き放てば
  どんなわざわいが起こるか想像もできないわ。
  へたをすれば……世界の破滅よ。

ミント
 「世界の、破滅……。ヴァレンの【遺産】ってそんなに強力なの?

メル
 「間違いないわ。現存するすべての【遺産】の中でも最高の魔力を秘めているはずよ。
  ……あら、どうしたの?

ミント
 「んふふふふふふふ……。最高の魔力……ステキじゃない!

メル
 「は?

ミント
 「ヴァレンの【遺産】はぜっっったい手に入れてやるわ!

メル
 「あなた、わたしの話を聞いてたの?

ミント
 「ふっ、だいじょーぶ! 心配ご無用ってやつよ。
  このミント様の目が黒いうちは
  ヴァレンだろーとなんだろーと世界を滅ぼさせたりはしないわよ!

 (だって、あたしが征服する世界だもんね〜。

メル
 「ふう……。わたしがいくら言っても無駄のようね。
  あなたみたいなタイプは、痛い目を見るまで、あきらめそうにないわね。

ミント
 「あたしを甘く見ないでくれる?
  ちょっと痛い目を見たくらいであきらめるほどヤワじゃないわ!

メル
 「たいした自信ですこと……。
  わかったわ。そこまで言うなら【遺産】に手を出してごらんなさい。
  ほんとうに痛い目を見ればいい薬になるでしょう。

ミント
 「おっ!? ということは……。

メル
 「ええ、協力しましょう。そのキューブを調べてあげるわ。

ミント
 「おっ! 話わかるじゃな〜い♪

メル
 「でもね、ひとつだけ条件があるわよ。
  あなたの願いをきくかわりにわたしのお願いもきいてほしいの。
  あなた、ポプルプルルの子たちと遊んだでしょう?

ミント
 「ポプルプルル……。ひょっとして、外にいる小人たちのこと?

メル
 「ええ。ポプルプルル人の子供たちよ。
  うちのおそうじやおせんたくを手伝ってくれる、かわいい4人組なの。

ミント
 「4人組?  さっきは3人しかいなかったよーな……。

メル
 「それがねえ……あの子たちの仲間がひとりおつかいに出かけたまま行方不明なの。
  そう遠くへは行っていないと思うんだけど心配で心配で……。

ミント
 「あ〜、わかったわかった。その子を探してくればいいのね?

メル
 「あら、察しがいいじゃない。その通りよ。それがキューブ調査の条件。
 【遺産】を見つける、なんて言うんだからこれぐらいのお仕事は簡単でしょ?

ミント
 「あったりまえでしょ。余裕よ、よ・ゆ・う。

メル
 「迷子の子を見つけたらまた来てちょうだい。
  その頃には、キューブの調査も終わっていると思うわ。

ミント
 「よろしく〜♪ ポプルプルル人のコトはまかせといてちゃちゃっとさがしておくわ!


アトリエの外
ドアをノック
メル
 「どうぞ。


アトリエの中
メル
 「迷子の子供は見つかったかしら?

 「キューブの解読なら、まかせてちょうだい。たぶん数時間で終わると思うわ。
 

≪カローナの街≫

噴水広場
マルコ
 「ポプルプルル人をさがしてるの?
  たぶん、森にいると思うよ。ポプルプルル人は、森が大好きなんだ。

 「ポプルプルル人だったら森にいると思うよ。


クラウスの店
ミラ
 「ゴロツキ兄弟の姿を見かけたわ。あの人たちが、エレナをいじめたのね……。
  いずれ、たっぷりこらしめてやりましょう。

 「ゴロツキ兄弟は、森に行ったようね。
  ほうっておいたら、また誰かをいじめるかもしれないわね……。

 「湖は見に行ってみた? とてもすてきな場所だから一度行ってごらんなさい。


店の地下
クラウス
 「そうか……ポプルプルル人を探さなければならないのか。
  彼らは、じめじめした場所を嫌うから、地下や建物の中にはいないと思うよ。

 「ポプルプルル人は、一種の妖精なんだ。
  人間と遊ぶのが大好きな、陽気な連中だが人間の大人は好きではないらしい。

 「メルのアトリエはどうだったね?
  いや、聞かなくてもわかるよ。恐ろしい場所だったろう。


トニオの店
ニール
 「ゴロツキ兄弟にだまされてひどい目にあったよ。
  ただの木の根を『万能薬のモトだ!』って売りつけられたんだ。

 「さっきゴロツキ兄弟を見かけたんだ。森に行くって言ってたよ。

 「あいつら、森でなにをする気だろう?


酒場
アリーネ
 「いらっしゃい! ゆっくりしてってね♪

 「メルって人は、ぜんぜん歳をとらないのよ。うらやましいわよね〜。

 「さあ、仕事しないと。
 

≪カローナの森≫

???
 「ウヒョ〜!!

ミント
 「この前のゴロツキどもじゃないの。あいかわらずヒマなヤツらね〜。

 「あれ? あのちっちゃいの、もしかして……。

ポプルプルル人
 「わ〜ん! キタナイ手でさわられたら、よごれるのだ〜!

ブラッド
 「なにィ!? 俺の手が汚ねえだと!? そいつは聞き捨てならねえな。
  この俺のデリケートなハートがいたく傷つきやがったぜ。
  きっちりワビを入れてもらうぜ!!

ポプルプルル人
 「キタナイものをキタナイと言ってなにがわるいのだ〜!!

スモーキー
 「ウヒョ〜! こいつナマイキっス! アニキにむかって失礼っス!!

ポプルプルル人
 「やかましいのだ〜!

ブラッド
 「うるせえ、やかましいのはテメエだ!
  2度とナマイキな口をきけねえようにヒドイ目にあわせてやるぜ!

スモーキー
 「ウヒョ〜! なんか盛り上がってきたッス!
  やっぱり悪役はこうでなくちゃいけないっス!

ミント
 「そこまでよっ!

ブラッド
 「なんでえ、せっかく盛り上がってきたのに邪魔しやがって……あーっ!

スモーキー
 「あ、アニキ!? コイツ、この前の暴力女ですぜ!

ミント
 「なぬー!?

跳び蹴りが炸裂!
スモーキー
 「ギャ−ス!!

ミント
 「誰が暴力女だっ!

ブラッド
 「ああっ!? スモーキー!?

 「おのれ……俺たちをコケにするとはいい度胸じゃねーか!

ミント
 「なによ、あたしにケンカ売る気?
  あんたたちこそいい度胸ね。弱いものイジメしかできないくせに!

ブラッド
 「言わせておけば……。

 「おい、起きろスモーキー! このナマイキな女をぶっ倒すぞ!

スモーキー
 「う……ウッス……。

ブラッド&スモーキーとバトル!
スモーキーをやっつける
スモーキー
 「ウヒョロロロロ……。
  アニキ、またやられちまったっス……。

ブラッド
 「情けねえぜスモーキー!
  俺はおまえをそんなふうに
  育てた覚えはねえ!!
  いいかスモーキー、帰ったら特訓だ!
  というわけで、俺は先に帰ってるぜ!

スモーキー
 「えっ!? ウヒョヒョ!?
  アニキ〜、待ってくれっス〜。
ブラッドをやっつける
ブラッド
 「チクショウ、またしても負けちまった……。
  しかたねえ、ずらかるぜスモーキー!

スモーキー
 「えっ!? ウヒョヒョ!?
  アニキ〜、待ってくれっス〜。
 
ポプルプルル人
 「助かったのだ〜。

ミント
 「だいじょーぶ? ヘンなことされてない?

ポプルプルル人
 「へ〜きなのだ〜。

ミント
 「ファンシー・メルにたのまれてあんたをさがしてたのよ。
  さ、おうちまで送るわよ。メルが心配してるわ。

ポプルプルル人
 「だいじょ〜ぶなのだ〜。ひとりで帰れるのだ〜。

 「おまえ、名前なんていうのだ〜?

ミント
 「ミントよ。この名前をよーく覚えておいて帰ったらメルに報告するのよ。
 『カワイクてカッコいいミント様が華麗なる魔法のワザで助けてくれた』って。
  わかった?

ポプルプルル人
 「うん、わかったのだ〜。ミント、ありがとなのだ〜。
  それじゃバイバイなのだ〜。

ミント
 「もう日が暮れるわね……。とっとと街に帰ろっと。
 

≪カローナの街・夜≫

噴水広場
トニオの店
 『今日は閉店です。また明日どうぞ!
                    トニオ』

ホテル
 『ただいま満室です。
         リーソン』

クラウスの店に入ろうとする
ミント
 (夜もおそいから、明日にしよっと。


街外れの草原
ロッド
 「おう、ミントじゃねぇか。ファイヤーにでもあたっていくか?


ミント
 「ひとつ質問してもいい?

ロッド
 「なんだ?

ミント
 「あんたは、どーして武器をつくるの?

ロッド
 「…………。イージーな理由だ。
  オレ様は、ファーザーみてぇに歴史に名を刻む男になりてぇのさ。

ミント
 「ファーザーって……。あんたのオヤジのこと?

ロッド
 「オレ様のファーザーは剣士でな。そりゃあ強かった。
  文句なしに世界最強の剣士だったぜ。
  生涯、何百回もバトルして一度も負けたことがなかった。
  そう……ファーザーはまさしく歴史に名を刻んだんだ。
  剣豪プレスキンの名前ぐらいはおめぇも聞いたことがあるだろう?

ミント
 「プレスキン!? 知ってるわ! 天下無敵の剣士でしょ。

ロッド
 「オレ様は、ファーザーに勝つために必死で剣のトレーニングをしたのさ。
  ファーザーに勝てば、オレ様は
 『剣豪プレスキンを倒した男』として歴史に名を刻めるからな。

 「だけどよ……。
  オレ様とバトルする前に、ファーザーは病気でぽっくり死んじまった……。
  オレ様は、ファーザーを越えることが永遠にできなくなっちまった……。

ミント
 「…………。

ロッド
 「だからオレ様は、ファーザーとは違う道で歴史に名を刻むしかねぇのさ。
  ファーザーみてぇな、ただの剣士じゃねぇ。
  みずから最強の武器をクリエイトしその武器で、自分の運命を切り開く男……。
  そんな男として、歴史に名を刻みてぇのさ。

ミント
 「ふーん……。

ロッド
 「すまねぇ。ロングなトークになっちまった。
  おめぇは、明日のモーニングも早いんだろ。
  そろそろ宿でスリープしたほうがいいぜ。

ミント
 「そーね、そーするわ。

 「おやすみ、ロッド。

ロッド
 「おう。


ロッド
 「もう夜も遅い。早くスリープしねえと風邪をひいちまうぜ。

 「オレ様とバトルしたければモーニングに来な。

 「宿でスリープしたほうがいいぜ。


宿屋 カーサ
 「おや、おかえり。今日はもう遅いから部屋で休んでおゆき。


カーサ
 「こんな夜ふけに出かけるのかい? 遅くならないうちに帰ってくるんだよ。


ミントの夢
マヤ
 「お姉さま。

 「そこのお皿を取ってくださるかしら。

ミント
 「…………。

マヤ
 「そのあと料理長に伝言をおねがいします。
  ケーキとババロアをあと5皿ずつ追加するように、と。

ミント
 「…………。

マヤ
 「それが終わったら、わたくしの肩をもんでもらいましょうか。
  それとも城じゅうのトイレをひとつ残らず掃除していただこうかしら?
  カボチャ畑の草むしりもいいですわね。

ドールマスター
 「すべてやらせればよろしいでしょう。

マヤ
 「あ〜ら、いい考えですわね。そうしましょう。
  ではお姉さま、よろしくおねがいしますね。

ミント
 「…………。

マヤ
 「お姉さま。返事はどうなさいました?

ミント
 「マヤ…………。あたしをコキ使って、そんなに楽しい?

マヤ
 「あら、コキ使うだなんて人聞きの悪い。
  わたくしはお姉さまに正当な労働をあてがっているわけですわ。

ミント
 「正当な労働ですって!? あたしは王女なのよ! プリンセスなのよ!

マヤ
 「それは違うのではないかしら。
  お姉さまはプリンセスではなく元・プリンセスですわ!

ミント
 「も……! 元ってなによ、元って!!

マヤ
 「だってそうでしょう? お姉さまは王位を継ぐ資格を失ったんですから。
  もうプリンセスでもなんでもないタダの一般庶民ですわ!
  お〜っほっほっほっほ!

じいや
 「納得してくだされ元・姫さま。

ドールマスター
 「現実は受け入れるべきですぞ元・殿下!

ミント
 「ヒドい……ヒドすぎるわ! あたしがいったいなにをしたって言うの!?

マヤ
 「お姉さま、サボるのはそれぐらいにしてとっとと働いてくださいまし。
  時間がもったいのうございますわ。
  たわけた言いわけでごまかそうとするならこんなおしおきをお見舞いしますわよ。

ミント
 「ひいぃぃっ!? か、かかかかカボチャ!?

マヤ
 「ほ〜っほっほっほっほ! いい気味ですわ♪ 元・プリンセスさん!


ミントの部屋
ミント
 「またイヤな夢を見ちゃったわ……。ううっ、なんてかわいそうなあたし……。

 「き〜っ! ムカつく!!
 

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