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いさんをゲット!?



≪カローナの街≫

クラウスの店の地下
エレナ
 「お父さんったらまた無理しちゃったみたいです。

プリマドール
 「ボク、知ってるよ。
  クラウスさんはアミュレットをつくるために、夜も寝ないでがんばってたんだ。

ミント
 「若くもないのにムチャするからよ。しばらく寝てた方がいーわね。

クラウス
 「ううう……なにを言うんだ、ミント君。【遺産】まであと一息なのに……。

エレナ
 「お父さん! ちゃんと休んでないとダメよ!

クラウス
 「しかしだねえ……。

エレナ
 「お父さんが体をこわしたらお母さんが泣いちゃうでしょ!

クラウス
 「……ううっ、そうだね。しかし【遺産】が……。

ミント
 「無理しないで、寝てなさいって。その間に、あたしが用意だけしとくから。

プリマドール
 「用意って、なに?

ミント
 「ボートよ。湖水の遺跡に行くには、ボートがいるわ。

エレナ
 「あ! なるほど〜。
  そういえば湖水の遺跡は湖のまんなかにありましたね〜。

ミント
 「ボートなら、あたしに心当たりがあるわ。ガムル樹海に行ったときに乗った。
  ロッドのスカタン号よ。あいつに話をつけてくるからゆっくり休んどいてよ。

クラウス
 「ミント君……いつもすまないね……。

ミント
 「それは言わない約束ってやつよ♪

 (クラウスさんが倒れてるうちに【遺産】をひとりじめよ!

エレナ
 「今日のミントさんってみょうにやさしいですね〜。
  また悪だくみしてるんですか?

ミント
 「ぎく!

 「なに言ってんのよ! あたしはいつだってやさしさにあふれてるじゃない!

プリマドール
 「そうかなあ……。『やさしさ』じゃなくて  『やましさ』じゃない?

エレナ
 「お〜! うまいですね〜♪

ミント
 「納得するなぁ!


エレナ
 「お父さんったら、無理しちゃって……。お母さんが心配しちゃいます。

 「お父さんって、研究に夢中になるとごはんも食べなくなっちゃうんです。

 「ルウさんがどこに行ったか知ってます? どこにもいないんですよね〜。

 「【遺産】を手に入れたら、ミントさんはいなかに帰るんですよね……。
  わたし、さびしいです……。


プリマドール
 「クラウスさん、だいじょうぶかなあ……。

 「クラウスさんは、ずっと徹夜でアミュレットをつくってたんだ。


クラウスの店
ミラ
 「湖水の遺跡に行くならロッド君の力を借りるといいわ。
  きちんと相談すればきっと力になってくれるはずよ。

 「【遺産】の謎を解明したら、うちの人の研究も、ひと段落しそうね。
  これで少しは落ち着いてくれるかしら。

 「ロッド君、ちゃんとごはんを食べてるのかしら?


噴水広場
マルコ
 「ねえねえ、知ってる? ロッドって、すごいボートを持ってるんだってさ!
  ぼくも乗ってみたいなあ……。

 「ロッドのところで、ジョニー・ウルフと遊ぼうかな。


裏通り
グレアム
 「船が必要ならロッドに相談するといい。
  あいつのボートは、とんでもない高性能らしい。
  ただし乗り心地は悪そうだがな。


酒場
デービス
 「一杯おごってくれないか。おごってくれたら面白い話を聞かせてやろう。
50Gおごる
デービス
 「ありがとうよ。
  さあ、どんな話を聞きたいんだ?
 やめておく
 デービス
  「妙なことを頼んですまなかった。
   気にしないでくれ。
 金が足りない
 デービス
  「おっと……金が足りないようだな。
森の魔法使いの話
デービス
 「おれのひいじいさんが、ガキだった頃の話をしてやろう。
  ある日のことだ。ひいじいさんは、たったひとりでカローナの森に遊びに行ったんだ。
  ところが、おたまの後を追いかけているうちに、
  いつの間にか森の奥に迷いこんでしまった。
  その上、運の悪いことに腹をすかせたティグレの群れに出くわしちまったんだ。
  ひいじいさんは逃げようとしたが子供がいくらがんばっても、
  足の速いティグレから逃げられるわけがない。
  あっという間に追いつかれしかも転んで足をくじいてしまった。
  ひいじいさんは、死を覚悟したそうだ。だがその時、不思議な男が現われた。
  深い森の奥なのに、どこかの学者先生みたいな、りっぱな服を着ていたという。
  その男が、無言で手をかざすとたちまち猛烈な炎が巻き起こり
  ティグレどもは尻尾を巻いて逃げ出した。
  そう……男は魔法使いだったんだ。
  彼は、ひいじいさんの足を魔法で治療しついでに街まで送ってくれたそうだ。
  街に帰ったひいじいさんの話を聞いて物好きな連中が、
  森に出かけていったが誰も魔法使いに会えなかった。
  おたまにかみつかれたり、崖から落ちてケガをしたり、
  ガーゴイルに襲われてひどい目にあったそうだ。

大魔導士と竜の話
デービス
 「大魔導士エルロイの話をしてやろう。
  有名な男だからあんたも知ってるはずだ。
  何百年も昔、エルロイは魔法の力でこの地方を支配した。
  土地の貴族を追い払って、自分が領主になったんだ。
  都の王様や騎士たちが怒って攻めてきたがエルロイは、
  骨でつくった魔物をあやつり都の軍隊をけちらしてしまった。
  戦いが終わると、エルロイは重い税金を取り立て、
  人々を無理やり働かせて地下迷宮をつくった。
  そして地下迷宮に弟子たちを集めあやしげな研究を始めたんだ。
  どうやら伝説のお宝をさがしていたらしい。
  ある時、エルロイは怒りの山に攻めこんだ。
  あの山に住むウィーラーフから貴重な鉱石をうばい取ろうとしたんだ。
  エルロイは、卑怯な作戦を立てた。
  山に毒の雨を降らせて、戦わずにウィーラーフを倒そうと言うわけだ。
  計画はうまくいった。ウィーラーフは毒にやられて立ち上がることもできなくなった。
  だがエルロイがとどめを刺そうとしたとき
  ふしぎな魔女が現われてエルロイに魔法をかけたんだ。
  するとエルロイの背がぐんぐんちぢんでポプルプルル人より小さくなってしまった。
  しかも顔は大人のままでな。
  はずかしくなったエルロイは地下迷宮の奥深くに逃げこんで
  二度と姿を現さなかったそうだ。
  ……おれのひいばあさんが、そのまたひいばあさんから聞いた、おとぎ話さ。

ガムル樹海の話
デービス
 「河をさかのぼると、ガムル樹海という深い深い森につく。
  カローナの森のような明るい森じゃない。
  年前年も昔に生えた、天まで届く巨木がそびえ立つ、昼でも暗い魔の森だ。
  ガムル樹海の木はとても丈夫で少々切りつけたぐらいでは傷もつかない。
  大海原を航海する船の材料に最適なんだ。だが、あそこで材木をとるのは難しい。
  なにせガムル族という、やっかいな連中が住みついているからな。
  やつら、ひとりひとりは弱いんだが
  大勢でいっせいに襲いかかってくるから始末におえないんだ。
  ガムル族の故郷は、南の大陸だ。
  どうやら樹海に住んでいた呪法師ギネマが召使いにするために連れてきたらしい。
  しかし呪法師ギネマが、いつの間にか姿を消してしまったせいで野生化したらしいんだ。
  もともとあの樹海には、ポプルプルル人が住んでいたが、
  ガムル族に追い出されてしまった。
  今や樹海はガムル族の天下だよ。まったく腹の立つ話さ。
  ガムル族がいなければ、樹海の材木で商売できる。
  カローナの街も、もっと栄えるはずだ。悪いのは呪法師ギネマだな。
  あいつがガムル族を放り出してどこかに行ってしまうから、こんなことになったんだ。

妖術僧と魔人の話
デービス
 「昔々のことだ。このカローナの街でひとりの悪魔が生まれた。
  妖術僧ヨルダフという男だ。
 『悪い子はヨルダフにさらわれるぞ!』としかればどんな悪ガキでもおとなしくなる。
  ヨルダフは、もともと神につかえる神父で
  病気や老化で苦しむ人々を救うために医学を研究していたんだが……。
  いつしか闇の魔術にとりつかれて人の命をもてあそぶ研究に夢中になってしまったんだ。
  昼間はやさしい神父のふりをして本性をかくし、
  夜になると罪のない人々をさらっては実験台にしていたという。
  正体がバレて街から追い出されても
  ヨルダフは研究をやめるどころかますますのめりこんでいった。
  地下迷宮の大魔導士に弟子入りして魔法を学び、ゴーストテンプルをつくりあげたんだ。
  ゴーストテンプルにひそんだヨルダフはなにも知らない旅人を
  さそいこんでは生きたまま実験材料にしたそうだ。
  おぞましい実験を繰り返してヨルダフは、恐ろしい能力を持つ魔神たちを生み出した。
  彼は魔神たちをあやつって、死者の国をつくろうとしたんだ。
  みんなが死ねば老いや病に苦しむ者がいなくなるからな。
  だが……。
  魔神たちは、ヨルダフの言うことを聞かずヨルダフをバラバラに引き裂いてしまった。
  魔神たちが、なぜヨルダフに逆らったか本当の理由を知っている者はいない。
  けれど、こんな言い伝えが残っている。
  ヨルダフは、魔神たちが欲しがるものをなんでも与えたが、
  たったひとつだけ与えなかったものがある、というんだ。
  名前だよ。魔神たちには、名前がなかったんだ。名前がなければ、道具と同じじゃないか。
  魔神たちは、それが悲しくてヨルダフを殺してしまったという……。
  ただの伝説だが、おれは本当の話だと思う。

ある剣豪の話
デービス
 「おれは子供の頃、船乗りだった親父に連れられて、いろいろな国に行った。
  ある時、都に立ち寄ると、ちょうど武闘会が開かれていたんだ。
  おれは親父にせがんで、見物に連れていってもらった。
  そして、あの剣士を見たんだ。
  燃えるような赤毛を、たてがみのようになびかせて、静かに剣を構えていたよ。
  もう50歳近いという話だったがとてもそんな年寄りには見えなかった。
  全身から気力がみなぎっていたな。
  剣士の対戦相手は、バカでかい斧とトゲだらけの鎧で身をかためた
  熊みたいな大男だった。
  試合が始まると同時に、大男がしかけた。
  剣士の脳天めがけて、力まかせに斧を振り下ろしたんだ。
  その斧を、剣士の剣がガキッと受け止めた。
  おれは思ったよ。次の瞬間、剣が折れて剣士はまっぷたつになるだろうとな。
  だが……剣は折れなかった。逆に大男の斧のほうが、こなごなに砕け散ってしまったんだ。
  そして男は剣を振って、大男の腹を鎧の上から軽くたたいた。
  それだけで大男は泡を吹いてぶっ倒れた……。
  結局、その剣士はすべての相手を一撃で倒して、軽々と優勝しちまった。
  あんなに強い男は見たことがないな。
  あんたも名前ぐらいは聞いたことがあるだろう?
  そう、彼が剣豪プレスキンだったんだ。
  おっと、彼の剣の話を忘れていた。
  大男の斧を弾き返したのを見て伝説の名剣じゃないかと思ったが……。
  実は、そこらの武器屋で買ったなんのへんてつのない剣だったそうだ。
  真の強者は武器を選ばないということだな。

最後の英雄の話
デービス
 「おれが知っている中でいちばん古い時代の話をしよう。
  ある国の皇帝が、強力な魔法の宝を手に入れた。
  皇帝は世界を征服しようとして大戦争を引き起こしたんだ。
  たくさんの国が滅び、街が燃え上がり数え切れない人が
  命を落としたが皇帝は侵略をやめようとはしなかった。
  家族も家来も、みんな逃げ出してたったひとりになってしまっても
  モンスターを呼び出して戦争を続けた。
  皇帝の軍勢は無敵だった。人間の力では皇帝の魔力にかなわなかったんだ。
  世界は、滅びる寸前だった。だが、そこへひとりの英雄が現われた。
  天の高き風をまとい、若き竜と魔女を従えた竜騎士が、皇帝に挑んだんだ。
  彼は仲間たちと皇帝の城に乗りこみモンスターの軍勢をけちらして皇帝と対決した。
  激しい戦いは、七日七晩続いたというが
  最後には竜騎士が皇帝を倒して世界は救われたんだ。
  この竜騎士の名前は伝わっていない。
  人々がどんなに聞こうとしても、彼は絶対に自分の名前を言わなかったんだ。
  彼がその後どうなったかは、誰も知らない。
  東の大陸で新しい国をつくったというがそれもただの言い伝えかもしれん。
  本当に実在した人物なのかもはっきりしないんだ、
  どこかの誰かがつくったホラ話だ、という者もいる。
  だが、おれは信じるよ。彼が命をかけて戦ってくれたおかげでこの世界は、救われたんだ。
 

≪メルのアトリエ≫

メル
 「もうすぐ湖水の遺跡に行くのね……。
  でも、そう簡単にヴァレンの【遺産】が手に入るとは思えないわ。
  なにが起こるかわからないから万全の準備をしておくのよ。

 「湖水の遺跡に行くときにはしっかり準備しておくのよ。
 

≪カローナの街≫

街外れの草原
ミント
 「ロッド、起きてよ! あんたに用事があるんだから。

ロッド
 「なんでぇ、ミントか……。わかってるぜ。またオレ様とバトルしに来たんだろ?

ミント
 「違うわよ。また、あんたのスカタン号を借りたいのよね〜。

ロッド
 「だからスカタンって呼ぶんじゃねぇ!
  ミントよぉ……いつになったらオレ様のグレートマシンの名前を覚えるんだ?

ミント
 「名前ぐらい覚えてるわよ! 舌かみそーな長ったらしい名前でしょ。
  たしか、スカーレット・タイフーン……。

エクセレソトガソマ
ミント
 「エクセレソトガソマ、でしょ!

ロッド
 「おめぇ、相当そそっかしいな。正解は『エクセレントガンマ』だ!

エクセリオンオメガ
ミント
 「エクセリオンオメガ、でしょ!

ロッド
 「パーフェクトにハズレだぜ。正解は『エクセレントガンマ』だ!

エクセリオンガンマ
ミント
 「エクセリオンガンマ、でしょ!

ロッド
 「当たってるのは『ガンマ』だけだぜ。正解は『エクセレントガンマ』だ!

エクセレントオメガ
ミント
 「エクセレントオメガ、でしょ!

ロッド
 「惜しいな。『オメガ』じゃねぇのさ。正解は『エクセレントガンマ』だ!

エクセレントガンマ
ミント
 「エクセレントガンマ、でしょ!

ロッド
 「なんでぇ、覚えてるじゃねぇか。そうさ。
 『スカーレット・タイフーンエクセレントガンマ』だぜ!!
  二度とスカタンなんて呼ぶんじゃねぇ。ネバー・アゲインだ。


ミント
 「わかったから、スカタン号貸してよ。

ロッド
 「人の話を聞けッ!

ミント
 「心がせまいわね〜。

ロッド
 「とにかく! おめぇをヘルプする気はねぇ! 他の方法を探しな。

ぐぅぅぅ〜……

ミント
 「なに? 今の音。もしかして、あんたの腹の音?

ロッド
 「うるせぇな。ここんとこ、バトルのファイトマネーが入らねぇんだよ。

ミント
 「じゃあ、ごはん食べてないんだ。ふ〜ん……。

 「ガムル樹海に行ったときに食べたミラさんのお弁当、おいしかったな〜。

ロッド
 「うぐ!

ミント
 「まろやかにして豊かな味わい……。究極にして至高のお弁当だったわね。
  また食べてみたくない?

ロッド
 「そりゃ食いてぇのはやまやまだがよ……。

ミント
 「ミラさんに頼んであげよっか?

ロッド
 「なに!? ほ……本当か!?

ミント
 「そのかわり、スカタン号であたしを湖水の遺跡まで連れてってね。

ロッド
 「な……。

 「しかたねぇ! ヘルプしてやるぜ!

ミント
 「おおっ♪ 悪いわね〜。

ロッド
 「いいか、マダムの弁当を忘れるなよ!
  オレ様はマシンをスタンバイしておく。おめぇは準備をすませてきな。


ロッド
 「さっさと準備してきな。


噴水広場
ニール
 「マーカムさんは都の大商人なんだ。
  僕も、マーカムさんの商会に入れてもらおうかな……。

 「さっき湖を見てきたよ。とても静かで、神秘的な湖だった……。


クラウスの店の地下
プリマドール
 「ねえ、まだ? まだ出発しないの?

 「あんまり待たせないでよ〜!

 「ねえねえ、早く湖水の遺跡に行こうよ〜! ぼく、待ちくたびれちゃったよ!

 「ボクの力で、封印なんかかんたんにこわしちゃうもんね!


エレナ
 「もうすぐ、みんなの夢がかなうんですね……。

 「いよいよ出発ですね〜。がんばってくださいね♪


クラウス
 「そうか、ロッド君がボートを貸してくれるのか!

 「これで湖水の遺跡に出発できるね。今すぐ出発するかね?
湖水の遺跡に出発
クラウス
 「そうか……では、行ってきたまえ!
  私は街で待つことにしよう。
  よい知らせを待っているよ。
やめておく
クラウス
 「うむ。準備は慎重にしたほうがいい。
  なにが起こるか、わからないからね。


クラウス
 「湖水の遺跡に出発するかね?

街外れの草原
ロッド
 「おう、よく来たな!!
  マシンのスタンバイは終わってる。いつでも出発できるぜ!

プリマドール
 「スゲエ! カッコイイ!!

 「ミント! ボクら、これに乗るの?

ミント
 「そーよ。

プリマドール
 「やった! ボート! ボート!

ロッド
 「ボートじゃねぇ!!
 『スカーレット・タイフーン・エクセレントガンマ』って呼びな。

プリマドール
 「ミント! 乗ろ乗ろ、はやく乗ろ! はやくボート乗ろうよ〜!

ロッド
 「人の話を聞かねぇボーイだぜ……。

ミラ
 「ロッド君。約束のお弁当よ。

ロッド
 「おおっ! マダム、ありがとうございます!
  ひと口ひと口、じっくり味わいます!

ミラ
 「いつも助けてもらっているもの。ほんのお礼よ。

ロッド
 「これぐらい、ベリーイージーです!

プリマドール
 「ロッド、早く連れてってよ!

ロッド
 「せっかちなボーイだぜ……。まあいい。乗りなっ!!

スカタン号に乗り込む

ミント
 「よ〜っし! 湖水の遺跡へスカタン号、出発進行〜!!

プリマドール
 「あははっ♪ スカタンスカタン!

ロッド
 「スカタンじゃねぇって言ってるだろうが!

ミラ
 「ロッド君、ふたりをよろしくね。

ロッド
 「はいっ! マダム!

ロッド
 「OK! そろそろいくぜ!
  スカーレット・タイフーン・エクセレントガンマ……発進ッ!!

ミラ
 「行ってらっしゃ〜い! 気をつけてね〜!
  

≪川≫

プリマドール
 「うひゃ〜! はやいはやい〜♪

ロッド
 「こいつはとんでもねぇジャジャ馬だからな。しっかりつかまってろよ!

プリマドール
 「スゴイぞっ! スカーレット・タイフー……。……んぐぐ!?

 「舌、かんじゃった……イタイ。

ロッド
 「ハハハ! そんなことじゃこいつを乗りこなせやしねぇぜ!
  オレ様のスカーレット・タイフーンエクセレ……んぐゥう!?!?

ミント
 「…………ロッド?

ロッド
 「……………なんでもねぇよ。

プリマドール
 「あ! ロッドも舌かんだ! やーい! やーい!

ミント
 「だっさ〜。

ロッド
 「うるせぇっ! おいミント! 湖に通じる水路ってのはどこだ?

ミント
 「もう少しさかのぼったら見えてくるはずよ。

ロッド
 「OK! とばすぜ!
 

≪湖水の遺跡≫

ミント
 「ちゃちゃっとすませてくるからさ。 ちょっとここでまっててくれる?

ロッド
 「OKだ。早めに頼むぜ。弁当食いながら待ってるぜ。

プリマドール
 「ロッド、ばいば〜い!

ロッド
 「あばよ、ボーイ。なにをやらかすか知らねぇがしっかりキメてきな!

プリマドール
 「おうっ!

ミント
 「プリマ、行くわよ!

プリマドール
 「あっ! まってよ〜!


祭壇
ミント
 「ふっふっふっふっふっ……。ついに……ついにここまで来たわ!
 【遺産】まであと一歩! 世界が! この世界がついに!
  このミント様のモノになるのよッ!!

プリマドール
 「ミント……コワイ。


プリマドール
 「ふしぎだなあ……。
  ボク、はじめてここに来たはずなのになんだかなつかしい気持ちになるんだ。
  だってさ、ここでなにをしたらいいか自然とわかるんだもん。

ミント
 「じゃ、とっとと始めてちょーだい。早く早く早く、は・や・く!

プリマドール
 「も〜、ミントはせっかちだなあ。わかったよ、儀式をはじめるよ!

ミント
 「【遺産】♪ 【遺産】♪ 【遺産】♪ 【遺産】♪
 【遺産】で世界はあたしのものよん♪
 【遺産】の力でひとなですればナマイキマヤもボコボコよん♪

プリマドール
 「気がちるから静かにしてよ〜。

 『かの高き光の底に眠る者よ』

 『古の盟約に従いて呼ばわるは其の遺したるしもべ』

???
 「なにをなさっているのです!! ミントお姉さま!!


マヤ
 「お久しゅうございますわね、お姉さま。
  2年ぶりにお会いできて嬉しさのあまり、胸がはりさけそうですわ。

ミント
 「マ………………マ………………。ママママママママママヤぁ!?
  どどどどどどーいうことよ!? なななんであんたがここに!?

マヤ
 「なんで、ですって?

 「よくもまあそのような口がきけたものですね!
  お姉さまは、わが東天王国の使命をお忘れですか?

ミント
 「使命ですって!?

 「なにそれ?

マヤ
 「やっぱり忘れていらっしゃる……。ドールマスター、教えてあげなさい。

ドールマスター
 「あらためてご説明いたしましょう。
  わが東天王国は700年の昔より【遺産】の眠りを守ってまいりました。
 【遺産】が愚か者の手に渡れば世界はわざわいに包まれます。
  そのような事態を防ぐために【遺産】の眠りを守る……。
  それこそ、わが王国の使命です。

マヤ
 「【遺産】の眠りを守り封印をほどこす。
  その使命を果たすためにわたくしはまいったのです。

ミント
 「【遺産】を……封印!? あんたたち、ここにある【遺産】を封印する気!?

マヤ
 「そのまさかですわ。ヴァレンの【遺産】を目覚めさせるなど……。

 「このわたくしが許しません!

ミント
 「冗談言うなぁ!!

 「ヴァレンの【遺産】はあたしのものよ! 封印なんかさせないわっ!

マヤ
 「いいかげんになさい、お姉さま!
  歴史ある東天王国の元・王女ともあろう方が、そのようなわがままを……。
  わたくし情けなくて涙が出ますわ!

ミント
 「ちょっと! 『元・王女』ってナニよ!
  あたしは『元』じゃなくて今でもちゃんと王女よ! ミント姫よ!

マヤ
 「寝言は寝ながらおっしゃいなさい!
  国を飛び出してほっつき歩いているお姉さまに、王女の資格などありません!
  よろしいですか。

 「元

 「王女!

ミント
 「だから『元』って言うなっての!!

マヤ
 「あら? なにかおっしゃいましたか、元・王女?

ミント
 「クキィ〜〜ッ!!!!! もういいっ!

 「あんたがどーこー言おうとヴァレンの【遺産】は、あたしのものよ!!

マヤ
 「断固、阻止いたします! そんなこと、絶対に許せませんわ!!
  お姉さまのような危険人物に
  エイオンの【遺産】を渡したらどんな恐ろしいことになるか!!
  まさにこの世の終わりですわ! ああっ、頭痛が……。

ミント
 「おのれ……言わせておけば〜!! 人を台風かなにかみたいに!
  いーわ! 【遺産】を手に入れる前にまずあんたをボコボコにしてやるから!
  覚悟しなさい、マヤ!

マヤ
 「あらあら、お姉さま? わたくしの力に勝てるとお思いですか?

ミント
 「ブック・オブ・コスモス!!

マヤ
 「お姉さまには、最高の罰を下してさしあげますわ!


ミント
 「なによ、最高の罰って。なんにも起こらないじゃない。

マヤ
 「あら、そうでしょうか?

ミント
 「ん?

カボチャがアタマに落下!
ミント
 「んぎゃ!?

 「ひいぃぃぃぃっ!?!? かっ、かかかかカボチャ!?

マヤ
 「ほ〜っほっほっほっほ!! いかがですか、お姉さま?
  カボチャの下で反省なさい!!

ミント
 「いや〜〜〜〜!!! カボチャいや〜〜〜〜〜!!!

マヤ
 「……さて。

プリマドール
 「あ……。

マヤ
 「プリマドール、でしたわね。話は聞いていましたね?
  残念でしょうが、【遺産】の封印を解除させるわけにはいかないのです。
  わかってくださいますね。

ドールマスター
 「この人形、野放しにはできませんな。

 「【遺産】を狙う愚か者どもに悪用される危険があります。破壊いたしますか?

マヤ
 「それには及びません。わが国で手厚く保護を。

ドールマスター
 「命拾いしたな、人形。われらとともに来るのだ。

プリマドール
 「うう……。

???
 「プリマドール、走るんだ!

ドールマスター
 「……きさま!?

プリマドール
 「ルウ……どうしてここに?

ルウ
 「話はあとで。走れるかい?

プリマドール
 「う、うん!

ミント
 「こら〜!! あたしを置いてくな〜!!

ルウ
 「かならず助ける! 待っててくれ!

ドールマスター
 「そうはさせんよ。……サイコマスター!!

サイコマスター
 「あなたがたを逃がすわけにはゆきません。

 「抵抗したければどうぞご勝手に。
  私への攻撃はすべて無駄だと思い知るだけです。

ロッド
 「ほぉ、そうかい。だったらテストしてやるぜ!

サイコマスター
 「!?

ロッド
 「遅ぇ!!

ロッド
 「ビッグな口を叩いたわりにはあっけないもんだな。

サイコマスター
 「……不覚!

ロッド
 「ボサっと突っ立ってるんじゃねぇ! 脱出するぜ!

プリマドール
 「おうっ!


ドールマスター
 「油断したな。おまえらしくもない。

サイコマスター
 「申し訳ございません。ただちに追撃いたします。

ドールマスター
 「かまわん、放っておけ。やつらをこの遺跡に近づけねばよい。

 「マヤ殿下、ブックの力を。

マヤ
 「それが先決ですね。遺跡を封鎖します。

ミント
 「勝手にしなさいよ、もう。
 

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