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ちていにねむるナゾ



≪カローナの街≫

クラウスの店の地下
クラウス
 「やあ、ルウ君。待っていたよ。

ルウ
 「話ってなんですか?

クラウス
 「アトリエから持ち帰った資料をざっと調べてみたんだ。

ルウ
 「なにかわかったんですね。

クラウス
 「私のにらんだ通りだったよ。アトリエの魔法使いも【遺産】を探していたんだ。
  ほら、ここに書かれている。
 『長い歳月を費やし、我はエイオンの【遺産】を探しもとめてきた』とね。
  続きを読もう。『エイオンの【遺産】には強力無比な封印がほどこされている。
  我が魔力だけでは、封印を解除できぬ』

ルウ
 「封印?

クラウス
 「【遺産】をのこしたエイオンは誰かに【遺産】を奪われることを恐れた。
  そこで封印をほどこして【遺産】を守った。そんなところだろう。

ルウ
 「その封印を破るのは難しいんでしょうね、きっと。

クラウス
 「たしかに難しいだろうね。なにせエイオンの手による封印なんだ。
  おそらくは相当に強力な封印ではないかな。
  アトリエの魔法使いでさえも封印を解除できなかったんだ。
  私たちが【遺産】を見つけてもどうにもならないかもしれない。

ルウ
 「そんな……。

クラウス
 「落ちこむのは早いよ、ルウ君。実はまだまだ続きがあるんだ。

 「【遺産】を探していたのは森の魔法使いだけではなかったのさ。
  彼の記録を読んでみよう。

 『我が魔力でエイオンの封印を溶けぬなら偉大な先人の力を借りるとしよう』

 『前時代の大魔導師エルロイも【遺産】の
  封印を解くべく、多くの弟子とともに研究を行っていたという』

 『エルロイのアトリエに行けば彼の研究の成果が手に入るだろう。
  地下迷宮にさえ行けば……』

 『閉ざされた扉を開くカギはつくりあげた。
  あとは地下迷宮までたどりつきその奥に隠された神秘を探るだけだ』

 『だが……。私の体はすでに死の病におかされている。
  もはや歩くことさえ難しい……』

ルウ
 「彼は……行けなかったんですね。

クラウス
 「さぞ無念だったろうなあ。森の魔法使いは、ひどい病気だったんだ。
  地下迷宮のアトリエをめざしてカギまでつくったのに……行けなかった。
  病に負けてしまったんだ。

 「なあ、ルウ君。私たちの力で【遺産】の謎をつきとめようじゃないか。
  そうすることが、森の魔法使いへのなぐさめになると思うんだよ。

 「これが、彼がつくったカギだよ。
  このキーストーンがあれば地下迷宮のアトリエに入れるはずだ。
  きっと【遺産】への大きな手がかりが見つかるに違いない。ルウ

 「次の目的地は、地下迷宮ですね!

クラウス
 「地下迷宮は、この街から半日ほど歩いたところにある。
  善は急げだ。さっそく出発しよう!

 「あいたたたた……。

ルウ
 「まだ足のケガが治ってないのに無茶するからですよ。

クラウス
 「なんのこれしき。この程度の痛みで私の情熱を止められはしないぞ!

 「いててて……。

ルウ
 「無理ですよ、クラウスさん。そんな足で遠出したらミラさんもエレナも心配します。
  しばらく家でおとなしくしてケガの治療に専念してください。

クラウス
 「しかし……。

ルウ
 「まかせてください。地下迷宮へは僕がひとりで行ってきます。

クラウス
 「それはいけない! あの地下迷宮はモンスターのすみかだ。
  ひとりで行くなんて危険すぎる! 私のケガが治ってから、いっしょに行こう!

ルウ
 「危険なら、なおさら僕が行かないと。
  自分ひとりの身ぐらい自分の力で守ってみせます。

クラウス
 「だが……ルウ君……。

ルウ
 「僕は絶対に【遺産】を見つけないといけないんです。
  どんなに危険な目にあっても。……そう誓ったんです。

クラウス
 「…………。

 「わかった。ルウ君に頼むとしよう。
  でも、ひとつだけ約束してくれ。かならず無事に戻ってくるんだ。いいね。

ルウ
 「はい。

クラウス
 「くれぐれも気をつけてくれよ、ルウ君。


クラウス
 「森のアトリエに住んでいた魔法使いはカドモンという名前だったらしい。

 「地下迷宮の主は、大魔導士エルロイだ。
  500年ほど昔に、この地方一帯を支配していた人物だよ。
  古文書によると、カラクリじかけの人形を研究していたようだ。

 「気をつけたまえよ、ルウ君。地下迷宮には危険なモンスターがたくさんいるらしい。

 「あのミントという娘さんはどうしているんだろう?


クラウスの店
ミラ
 「次は地下迷宮に行くの? あそこのモンスターは強暴だから気をつけるのよ。
  お店で装備をととのえてから出発したほうがいいわ。
  それと念のために宿屋で記録をつけておいたら?

 「うちの人にも困ったものね……。
  足のケガがなければ、きっと『地下迷宮に行くぞ!』って言い出したと思うわ。

 「地下迷宮にいる大トカゲは火を吹くの。のろまそうな外見に油断しちゃだめよ。


噴水広場
エレナ
 「こんにちは〜。おたまのルウさん♪

ルウ
 (……まだ誤解してるぞ、この子。

エレナ
 「おたまさんって、今日はひまですか?

ルウ
 「クラウスさんに頼まれて地下迷宮に行くんだ。

エレナ
 「な〜んだ……ちぇっ。

ルウ
 「どうしたの?

エレナ
 「え〜とですね〜。街の近くに大きな湖があるんです。
  そこ、とっても景色がキレイだから
  おたまさんにも見せてあげようと思ってたんですけど……。
  忙しいみたいだし、今度にしますね。いってらっしゃい、おたまさん♪

ルウ
 「だからエレナ、僕はおたまじゃなくて……。

エレナ
 「がんばってくださいね〜。


マルコ
 「おたまのヒミツを教えてあげるよ。
  おたまって、ほんとの名前はウィル・オ・ウィスプっていうんだ。
  だけど、だれもそう呼ばないんだ。名前が長すぎて、舌をかんじゃうからね!

 「森の切りかぶには、ヒミツがあるらしいよ。

 「おじいちゃんに聞いたんだ。
  むかし、カローナの森には魔法使いが住んでいたんだって。

 「ヘンなうわさを聞いちゃったんだ。
  おおきな顔に住んでいるウータンはマンドラの花が好きなんだって。
  これって、なぞなぞなのかな?
 

≪地下迷宮≫

入口
ルウ
 「ここが地下迷宮の入口か……。


???
 「やっぱり来たわね。

ルウ
 「誰だ!?

女の子
 「さ〜て、あたしは誰だっけ?

ルウ
 「君は……。
「そういえば……。
ルウ
 「そういえば……。
  ミントだったっけ?

女の子
 「おしいっ! 正解は『ミント様』よ。
 『様』がポイントだからね。
  よ〜くおぼえておきなさいよ、ルウ!
「誰だっけ?
ルウ
 「誰だっけ?

女の子
 「この前ちゃんと名乗ったでしょ!
  ミントよ、ミント!
  ったく、このあたしの名前を忘れるなんて……。
  おとなしそーな顔のわりに
  ルウって、いい度胸してるわね!
ルウ
 「!? どうして僕の名前を知ってるんだ。

ミント
 「このミント様の地獄耳を甘く見てもらっちゃ困るわね。
  そんな情報はバッチリ仕入れてんのよ。あんたがココに来た理由もね。

 「ココにアトリエがあるんでしょ? 白状しなさい。かくしてもムダよ〜。

ルウ
 「そうだよ。

ミント
 「ふふん。あたしのにらんだとおりね!
  で、あんたひとりでココに入るわけ? 言っとくけど、それってかなり無謀よ。
  こんな陰気くさい場所にはモンスターがウジャウジャいるに決まってるわ。
  ひとりでノコノコ入ってったらやつらの晩メシになるだけよ。

ルウ
 「なにが言いたいんだ?

ミント
 「ニブイわね。わかるでしょ? ひとりよりふたりがイイ、ってことよ。
  あんたとあたしで手分けしてさがせばアトリエだってすぐに見つかるわ。
  どう?
協力する
ルウ
 「わかった。いっしょに探そう。

ミント
 「おっ! あんた、なかなかカシコイわよ。

 「よしっ!
  そーと決まったら、さっさと行くわよ。

 「言っとくけど、ぬけがけなんかしたら
  跳び蹴りくらわすからね。いい?
 やめておく
 ルウ
  「協力しよう、なんて言われても信用できないよ。
   この前みたいに、横取りしようとするんじゃないか?

 ミント
  「あ! そーいうコト言うわけ? ふーん……。
   あたしは親切で言ってやったのに
   あんたがイヤだって言うならしかたないわね……。
   いーわ。あたしは勝手に探すから。
   あんたがピンチになったって
   助けてなんか、あげないからね!!

  「……それから。

  「夜道に気をつけた方がいーわよ! ケチ!
 
ルウ
 「……台風みたいな人だ。


迷宮内部
ミント
 「イヤになってきたわ。
  この洞窟って、どこまで行っても似たような道ばっかなんだもん。

 「どこかに滝があるのかな。
  洞窟を歩いていると、ときどき滝の音が聞こえるのよね。

 「アトリエを見つけたらちゃんとあたしに教えるのよ!


ミント
 「今ごろ来るなんておっそいわね〜。
  てっきりモンスターの晩メシになったと思ってたわ。

 「なんかものすごくイヤな予感がする……。

 ?
岩が転がって来る!

ミントが逃げ遅れる



ミント
 「うううう……。もうおなかいっぱい……。

 「うううう……。おぼえてなさいよ、マヤ……。

 「うううう……。世界せーふく……。


ルウ
 「ミント、だいじょうぶ……だよな。


地底湖
ルウ
 「こんな地の底に湖があるなんて……。

ミント
 「お宝はまるごとあたしのモノよっ!
  あんたなんかに取られるわけにはいかないのよね〜!


ミント
 「スキありっ!

ルウ
 「あ、ブーツのヒモが。
跳び蹴りが見事に外れる!
ミント
 「なぬー!?!?

ルウ
 「あれ? 今、ミントの声がしたような気がしたけど……気のせいか?


アトリエ入口
ルウ
 「これが大魔導士エルロイのアトリエか……。
  こんな建物、どうやってつくったんだろう?


エルロイのアトリエ
ルウ
 「【遺産】の手がかりがあるといいけど……。


ルウ
 「クラウスさんになにか持って帰らないと。


ルウ
 「この箱は……? 持って帰ってクラウスさんに見てもらおう。
キューブをゲット!


ルウ
 「なにか見落としてるかも……。もう少し調べてみよう。


ルウ
 「これ、なんだろう? アクセサリーかな……。
ティアラをゲット!


ルウ
 「めぼしい物は、これで全部かな。そろそろ街にもどろう。


アトリエ入口
???
 「待ちな!!

ルウ
 「君たちは……?


 「自己紹介してほしいのかい? おことわりだね!
  あたしらは忙しいのさ。自己紹介なんて時間のムダだね!


 「お前に名乗る名前なんかないぜ!


 「そういうこと。わかったかい? だから用件だけ言わせてもらうよ!
  アトリエで見つけたお宝を渡しな! そいつは【遺産】への手がかりなんだろ?

ルウ
 「!! まさか……【遺産】を狙ってるのか!


 「まさかもトサカもないね! その通りさ。あたしらもエイオンの【遺産】を探してる。
  わかったら、さっさとお宝をよこすんだね。このベル様は気が短いんだ。
  言うことをきかないと痛い目をみるよ!

ルウ
 「ことわる。僕は【遺産】を見つけるって誓ったんだ。
 【遺産】の手がかりを渡すわけにはいかない。

ベル
 「ほ〜う、そうかいそうかい。……デューク!

デューク
 「へいっ、あねさんっ!

ベル
 「このナマイキなボウズをおまえの能力でたたんじまいな。

デューク
 「承知しました!

 「覚悟しな、ボウズ!

ルウ
 「ボウズじゃない。僕にはルウって名前がある。

デューク
 「ボウズだろうとルウだろうと同じさ!
  おまえは、俺の能力……『なりきり』にブッ倒されるんだからな!

ルウ
 「『なりきり』……?

デューク
 「教えてやるよ。ルウ! おまえ、物語は好きか?
  俺はな……物語ってヤツが好きで好きでたまらないんだ。
  特に熱いヒーローの物語がな!
  そんな物語を読んだり聞いたりするとたちまち胸が熱くなっちまうのさ。
 『こんなヒーローみたいになりたい』ってな。
  昨日もすげえ物語を読んだぜ。『影の忍伝』って本でな。その主人公が……。

 「こんな技を使うのさ!

ルウ
 「ぶ、分身した!?

ベル
 「驚いたかい? これが『なりきり』さ!
  デュークは物語のヒーローになりきってその必殺技をマスターしちまうのさ。

デューク
 「拙者の忍術を受けてみよ! 覚悟!

デュークとバトル!
いざ、参る!


デューク
 「拙者の術もこれまでか。む、無念……。

ベル
 「よくやった、デューク!

ルウ
 「なにっ!?

ベル
 「さ〜て、これはなんだろうね?

ルウ
 「あっ!?

ベル
 「あはは! デュークを倒した腕はほめてあげるけれど、スキだらけだね。
  罰としてこのティアラは没収だよ。

デューク
 「いいかルウ! 今日は負けたが、次はそうはいかねえ!
  最強の『なりきり』でブチのめしてやるぜ! 首を洗って待っていやがれ!!

ベル
 「おしゃべりは終わりだよ、デューク! ずらかるよ!

デューク
 「へいっ、あねさんっ!

ルウ
 「待てっ!!


迷宮内部
スカルビーストが現われる!
ルウ
 「もう一匹いたのか!?

ベル
 「なんだか知らないけど今のうちに逃げるよ!

スカルビーストとバトル!


螺旋階段
スカルビーストが追いかけてくる!
上に逃げるしかない!


地底湖
ルウ
 「ベルとデュークには逃げられたか……。しかたない、一度街に戻ろう。


ミント
 「ぷはあっ! し、死ぬかと思った……。
 

≪カローナの街≫

噴水広場
ニール
 「グレアムさんはベテランの冒険者なんだ。
  話を聞けば、冒険の参考になると思うよ。

 「マーカムさんは都の大商人なんだ。
  僕も、マーカムさんの商会に入れてもらおうかな……。

 「きれいな噴水だねえ……。この水、飲めるのかな?


マルコ
 「だれか遊んでくれないかなあ……。
  ポプルプルル人のところに遊びに行こうかな。

 「ロッドのところで、ジョニー・ウルフと遊ぼうかな。

 「もうすぐごはんの時間だけどまだ遊んでよっと。


クラウスの店
エレナ
 「おたまさん、こんにちわ〜。

 「さっき、ミントさんとおしゃべりしたんです♪
  ミントさんっておもしろい人ですねえ……。

 「お父さんが、部屋で待ってますよ♪
 

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