プリマドールとともに
≪カローナの街≫
| クラウスの店の地下 クラウス 「ルウ君、おかえり。ケガはないかい？ ルウ 「はい。ファントマイトも取ってきました。 クラウス 「ほう……さすがルウ君！ あのウィーラーフを倒したのか！ ルウ 「倒したわけじゃないんです。 少しだけ戦ったらウィーラーフはわかってくれました。 クラウス 「これがファントマイトか……。 これを材料にアミュレットをつくってプリマドールを完成させよう。 ルウ 「それと……ベルとデュークに盗まれたティアラですね。 あれを取り戻さないと……。 ？？？ 「それならだいじょ〜ぶよん♪ ミント 「これ、な〜んだ？ ルウ 「ティアラじゃないか！ ミント 「あったり〜♪ 「ルウが怒りの山に行ってる間にベルたちと話をつけて取り戻したってわけ。 ルウ 「あのベルたちが素直に返してくれるなんて……。どう説得したんだい？ ミント 「ぎく！ 「ど、どどどどどーだっていーでしょ！ 細かいことは気にしないでよ！ ルウ （僕、何か悪いこと言ったかな……？ クラウス 「まあまあ、いいじゃないか。無事にティアラが戻ったんだ。 さっそくプリマドールに装着してみよう。 ルウ 「ティアラにはどういう機能があるんだい？ プリマドール 「自発的な意志や認識の能力やさまざまな知識の集積体です。 ティアラを装着すれば現時点の補助的な知能とは異なる 本格的な思考能力が付与されます。 ミント 「…………………。さっぱりわかんないわ。 プリマドール 「ミントのアタマで理解できるほど単純な構造ではありません。 ミント 「なぬ！！ ナマイキな……。 ルウ 「君の性格や考え方が進歩するってことかな。 プリマドール 「進歩する、というより本来のそれに戻るのです。 ミント 「そのナマイキな性格もちょっとはマシになるわけね。 クラウス 「では、装着するぞ……。 クラウス 「うわっ！？ ミント 「消え……ちゃった！？ ？？？ 「こっちこっち！ プリマドール 「これがホントのボクさっ！ 「うれしいな〜♪ これで自由に動けるぞ！ プリマドール 「どうだい、ボクの力はっ！ スゴイでしょ！ ミント 「ちょこまかしてるだけじゃない。 プリマドール 「あ〜あ、やっぱりミントはダメダメだね。 ボクみたいな人形がちゃんと歩けることのスゴさもわかってないんだから。 ミント 「なぬ！？ どーいう意味よ！ プリマドール 「説明するのもめんどくさいや。かってに考えとけば？ ミント 「こいつぅ……。許さんっ！ ルウ 「ミント、魔法はダメだ！ 魔法は！ ミント 「だってこいつ、ナマイキすぎるよ！ あたしをさんざんバカにしてさ！ ひどいと思わない！？ プリマドール 「ひどいのはミントの根性なんじゃない？ ミント 「こっ……このガキぃ！ プリマドール 「クラウスさん！ ボク、だんだんできあがってきたよ！ あとは、ルウが取ってきてくれたファントマイトからアミュレットをつくるだけだよ。 がんばってアミュレットをつくってね。ボク、早く完成したいんだ！ クラウス 「おやおや、ずいぶん素直になったね。 プリマドール 「そりゃそうだよ。クラウスさんとルウは、ボクをつくるため いっしょうけんめいがんばってくれたもん。ボク、ずっと見てたんだよ！ ミント 「ちょっと待ちなさいよ！ なんで『クラウスさんとルウ』なわけ？ あたしがなんにもしてないみたいじゃない！ プリマドール 「ちがうの？ ミント 「こいつっ！ プリマドール 「へへ〜んだ。ミントの攻撃なんか当たらないよ〜だ。 「あれ？ ルウ 「どうしたの？ プリマドール 「おかしいなあ……からだに力が入らないや。 ミント 「うろちょろしすぎて力を使いはたしたんじゃない？ プリマドール 「う〜ん、そうかも……。 クラウス 「エネルギーが足りないのかね？ アミュレットを装着すれば解決するのではないかな。 プリマドール 「どうかなあ……。 クラウス 「それは困ったな。もしアミュレットを装着しても問題が解決しなかったら……。 ミント 「【遺産】の封印を解けないかも……。それ、マズイじゃない！ ルウ 「原因をさぐった方がよさそうですね。僕とミントで手分けして調べます。 クラウス 「そうだね、それがいいだろう。ふたりとも、よろしく頼むよ。 私はその間にアミュレットをつくろう。 ミント 「ナマイキなガキンチョの世話で苦労するのはイヤだけど……。 【遺産】のためだからしかたないわね。なんとか調査してみるわ！ クラウス 「プリマドール君のエネルギー不足か……。 こういうことは、魔法の専門家に聞いてみるのが一番かな……。 しかしあの人には、もう関わりあいたくないが……。 「ベルとデュークがティアラを返してくれるとは……。改心してくれたのだろうか？ 「ファンシー・メルにたずねるべきかな……。 「エネルギーが足りなくてもプリマドール君はずいぶん元気だね。 「そういえば、妙な話を聞いたよ。 ゴロツキ兄弟に、決闘を申しこまれたそうじゃないか。 あんな連中にかかわっちゃいかんよ。 プリマドール 「ボク、キューブの中でずっと待ってたんだ。だれかが起こしてくれるのを……。 「ルウ、がんばってね！ 「う〜ん……からだに力がはいらないや。 「思いっきり走ってみたいなあ……。 「ミントって、ぜったいなにか悪だくみしてると思うな！ クラウスの店 エレナ 「プリマドールさんのエネルギーですか？ う〜ん…………どうしましょうね〜。あっ！ いい考えがありますよ！ お母さんに、スタミナ料理をつくってもらいましょう！ 「お母さんの料理を食べたらプリマドールさんも元気になりますよ♪ 「ルウさんも、たまにはうちにごはんを食べにきてくださいね♪ 「今度、ミントさんといっしょに湖を見に行くんです♪ 噴水広場 マルコ 「ねえねえ、知ってる？ ゴロツキ兄弟が、お店で万引きしようとして……。 店にいたグレアムさんにボコボコにされたんだ！ 「だれか遊んでくれないかなあ……。 ポプルプルル人のところに遊びに行こうかな。 マーカム 「クラウス氏の店には面白い品がそろっていますな。 私の商会と、取引をお願いしたいものです。 「ホッブス氏の店にゆきましたがいささか値段が高すぎますな。 「よい取り引きの話があったらどうぞ声をかけてください。 信用第一で、取り引きさせていただきますぞ。 グレアム 「ミラって女に、どうも見覚えがあるぜ。 １０年ほど前、都の武闘大会で優勝した 女剣士に似てるんだが……他人の空似か？ 「俺も昔は冒険者として鳴らしたもんだが 今となっては、ただのガンコオヤジだな。 |
≪メルのアトリエ≫
| アトリエの中 メル 「いらっしゃい、ルウ。【遺産】の探索は順調かしら。。 ルウ 「それが……。 プリマドールは完成したんですが困ったことになってしまって……。 メル 「プリマドールが？ なにかあったか話してごらんなさい。力になれるかもしれないわ。 ルウ 「はい。実は……。 メル 「そう……プリマドールにそんなトラブルが……。 ルウ 「まだ、足りないものがあるのでしょうか？ メル 「それはないと思うわ。 「残りはアミュレットだけのはずよ。 でも、プリマドールは数百年前につくられたものですものね。 素体駆動系の内蔵エネルギーが放散しきっている可能性があるわ。 ルウ 「素体駆動系の……放散？ えっと、それは……。 メル 「かんたんに説明すればエネルギーが足りていないのよ。 このままでは【遺産】の封印を解けない可能性が高いわね。 ルウ 「やっぱり……。なにかいい方法はないでしょうか。 メル 「そうね……ないこともないわ。 でも、ちょっと荒っぽい方法だしうまくいく保証もできないの。 失敗するかもしれないけれどそれでもかまわないかしら。 ルウ 「試す価値はあると思います。どんな方法なんですか？ メル 「この子たちが役に立ってくれると思うわ。 ルウ 「これが？ メル 「正確には、この子たちのお兄さんね。 その子……ゴロタンは、巨大な雷のエネルギーをあやつることができるの。 その力を利用すれば、プリマドールに エネルギーを補充できるんじゃないかしら。 ルウ 「雷獣か……。どこにいるんですか？ メル 「うちのアトリエにいるわよ。外にいる子たちに 聞いてごらんなさい。 ルウ 「ありがとうございます。さっそくためしてみます。 メル 「がんばってね、ルウ。ゴロタンは、ちょっと気が荒いから用心するのよ。 アトリエの外 ポプルプルル人 「ゴロタン？ しらないのだ〜。 ゴロタンより、ボクのボールであそぶほうが、おもしろいのだ〜！ ポプルプルル人 「ゴロタン？ たいしたことないのだ〜。 ゴロタンなんかほっといてボクのブランコであそぶのだ〜！ ポプルプルル人 「ゴロタン？ よそでさがすのだ〜。 ゴロタンとあそぶのはやめてボクのラッパであそぶのだ〜！ ポプルプルル人 「おっ！ ルウなのだ〜。 この前は助けてくれてありがとうなのだ〜。 ルウ 「やあ、ひさしぶりだね。 ポプルプルル人 「うれしいのだ〜。やっとルウとあそべるのだ〜。 ルウ 「ごめん……今はまだ君と遊ぶ時間はないんだ。 それより、ゴロタンを見つけないと……。 ポプルプルル人 「ふっふっふなのだ〜！ ゴロタンのことならボクが知ってるのだ〜。 ルウ 「本当かい？ ポプルプルル人 「ルウ、今すぐゴロタンとあそんでみる？ 「ゴロタンとあそんでみる？ |
|
| あそぶ ルウ 「うん、そうするよ。 ポプルプルル人 「じゃあ、ルウを案内するのだ〜。 ルウ、がんばるのだ〜！ ルウ 「こいつがゴロタンなのかな？ そんなはずないか……。 「！！ この鳴き声は……。 ゴロタンとバトル！ ルウ 「ごめんよ、君の力を借りたいんだ。 「クラウスさんの所に戻ろう。 うまくいくといいけど……。 |
やめておく →なにもなし ポプルプルル人 「ゴロタンとあそんでみる？ |
≪カローナの街≫
| 噴水広場 ニール 「クラウスという人のお店に行ったよ。 こっとう品がたくさんあったけど……。あんまり売れてないみたいだったなあ。 「マーカムさんは都の大商人なんだ。 僕も、マーカムさんの商会に入れてもらおうかな……。 マルコ 「ねえねえ、知ってる？ ゴロツキ兄弟が、クラウスさんの店に行ったら……。 ミラさんにボコボコにされたんだ！ 「もうすぐごはんの時間だけどまだ遊んでよっと。 クラウスの店の地下 ゴロタンに変身したルウがプリマに雷を浴びせる プリマドール 「ひゃっ！？ 「うわわっ！？ 「うひゃあ！！ クラウス 「ずいぶん荒っぽい方法だね。 「プリマドール君、具合はどうだい？ プリマドール 「…………。 クラウス 「うーん……どうも刺激が強すぎたかな。 プリマドール 「えいっ！ 天井に頭をぶつける プリマドール 「いたたた……。 ルウ 「だ、だいじょうぶかい！？ プリマドール 「へへっ、ちょっとはりきりすぎちゃった！ だってさ、体じゅうに元気があふれてきたんだもん！ クラウス 「と、いうことは……。 プリマドール 「ルウ、どうもありがとっ！ クラウス 「どうやらうまくいったようだね。さて……あとはアミュレットを仕上げるだけだね。 ルウ 「アミュレットの方はまだ時間がかかりそうですか？ クラウス 「まだ途中だが、先は見えたよ。 それほど時間はかからずに完成できるはずさ。 ルウ 「もうすぐですね。 クラウス 「そうとも。アミュレットさえ完成すれば【遺産】に手が届くぞ！ プリマドール 「ど〜んとボクにまかせてよ！ 【遺産】の封印なんか、かんたんにかたづけちゃうからさっ！ クラウス 「そういうわけだ、ルウ君。アミュレット完成までもう少しだけ待ってくれたまえ。 ルウ 「よろしくおねがいします。 クラウス 「プリマドール君が元気になって私もうれしいよ。 「アミュレットが完成するまでもう少し待ってくれたまえ。 「プリマドール君に、外の世界を見せてあげるのもいいかもしれないね。 「そう言えば、妙な話を聞いたよ。 ゴロツキ兄弟に、決闘を申しこまれたそうじゃないか。 あんな連中にかかわっちゃいかんよ。 プリマドール 「ボク、ばっちり元気になったよ！ 「クラウスさんって、ずっと徹夜でがんばってるんだ。だいじょうぶかな？ 「外に遊びに行きたいなあ……。 「アミュレットができたら封印をこわしてあげるよ！ 「外に遊びに行きたいなあ……。 酒場 ルウ 「あいつらは……！ デューク 「おっ、ルウか。 ルウ 「どうしてこんなところにいるんだ。まさか……。 デューク 「俺たちがどこにいようと勝手だろ。文句あるなら、バトルしたっていいんだぜ。 ベル 「やめな！ デューク 「あねさん……。 ベル 「あたしらはね、もうあんたにちょっかいを出す気はないんだ。 ルウ 「【遺産】をあきらめるのか？ ベル 「さて、どうだかね。そこまで話す義理はないさ。 デューク 「もう、おまえを片づける必要はないのさ。なんせ俺たちゃミントと……。 ベル 「よけいなことをしゃべるんじゃないよ！ デュークをブッ飛ばす ベル 「ったく、始末におえないね。口が軽いったらありゃしない！ ルウ 「…………。 ベル 「信用できない、って顔だね。まあ、信じてほしいとも思ってないけどね。 「いつまで寝てるんだい！ さっさと起きな！ 宿に戻るよ！ デューク 「へいっ、あねさん！ ベル 「せいぜいい努力するがいいさ。 うまく湖水の遺跡の封印をとけるよう、心から祈ってるよ。 ルウ 「あいつら……なにかかくしているな。 |
≪メルのアトリエ≫
| メル 「ゴロタンなら、元気にしているわよ。 ただ……痛い目にあってちょっとだけおとなしくなったわね。 |
≪湖畔≫
| ミント 「おっ、ルウじゃない。 エレナ 「こんにちわ〜♪ ルウ 「ふたりとも、どうしたんだい？ エレナ 「いいお天気だからおさんぽに来たんです。 ミント 「エレナが、どうしてもって言うからさ〜。 エレナ 「だって……。もうすぐミントさんたちとも会えなくなっちゃうし……。 ミント 「え？ エレナ 「ふたりとも【遺産】をさがしてカローナの街に来たんですよね。 だから【遺産】が見つかったら ふたりとも、遠いところへ行っちゃうんじゃないかなって……。 「ふたりに会えなくなっちゃったらわたし、さびしいです……。 ミント 「言われてみれば、その通りね。 【遺産】を見つけたらあたしは世界征服作戦をはじめるし。 世界を相手にケンカするからにはこの街でゆっくりしてられないわね。 エレナ 「そ〜ですよね……。 ミント 「だけどカローナの街ってけっこう居心地いいしなー。 世界征服が終わったらここにでっかい城を建てて住むのもいいかもね。 エレナ 「ミントさんのお城ですか〜！？ ミント 「そーだ！ いーこと思いついた♪ あたしが世界を征服したらエレナは大臣にしてあげるわ！ あんた、どんな大臣になりたい？ エレナ 「だ、大臣ですかぁ！？ そんなこと、いきなり言われても困っちゃいますねぇ。 う〜ん、そうだなあ……。おそうじ大臣とか……。 ミント 「…………。 「ルウ、あんたも大臣になりたい？ |
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| なりたい ルウ 「大臣か……なってみたいな。 ミント 「へ〜！ あんたの口からそんなセリフが 出てくるなんて思わなかったわ。 あんたの性格だから、きっと 『いなかで静かに暮らしたい』な〜んて 地味なコト言い出すと思ってたけど。 エレナ 「ルウさんは、どんな大臣になりたいですか？ ルウ 「うーん……どうしよう。 ミント 「よしっ！ 決めたっ！ ルウは、あたしの肩もみ大臣に してあげるわ！ ルウ 「…………やっぱり、故郷で 静かに暮らすことにするよ。 |
遠慮する ルウ 「遠慮しておくよ。 僕は故郷に帰るよ。 （クレアといっしょに……。 ミント 「そして静かに暮らす、ってわけ？ 地味ねえ。地味すぎよ！ エレナ 「でも、ルウさんらしいです。 ルウさんには、ミントさんみたいな 暴れん坊人生は似合いませんよ♪ ミント 「誰が暴れん坊人生だっ！ |
| エレナ 「いなかに帰ってもたまにはお手紙下さいね。 ルウ 「うん、約束するよ。 ミント 「ま、なにもかも【遺産】を見つけてからの話ね。 エレナ、クラウスさんの作業はどう？ まだアミュレットをつくってるの？ エレナ 「そ〜ですよ。 ミント 「ちゃちゃっと完成してほしいわね。あいつらをいつまでも待たせておけないし……。 ルウ 「あいつら？ ミント 「ぎく！！ ルウ 「ミント……またなにかたくらんでるのか？ ミント 「え！？ えっと……。あっ！ あたし、急用思い出した！ じゃあねっ！！ エレナ 「ミントさん、待ってください〜！ ルウ 「どうしたんだろう、ミント……。いやな予感がするな。 |
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≪カローナの街≫
| クラウスの店の地下 プリマドール 「あ！ ルウだ！ 「ルウ、見て見て！ エネルギーを入れたからこんなに元気になったよ！ クラウス 「アミュレットの制作は順調だよ。あと一息で完成するぞ！ ルウ 「そうすれば湖水の遺跡の封印も……。 プリマドール 「へへっ、ボクにまかせてよ！ 封印なんかすぐにこわしちゃうもんね。 【遺産】へのとびら、開いてあげるよ♪ クラウス 「ははは、頼もしいね。 プリマドール 「でもルウ、湖水の遺跡ってどんなところなの？ ボク、見に行きたいなあ。 ルウ 「湖水の遺跡は湖のまんなかにあるんだ。今すぐ渡るのは無理だよ。 プリマドール 「え〜！？ ルウ 「封印を解除する時には船を用意するからそれまで待ってくれないかな。 プリマドール 「やだやだ！ すぐ見たい！ ルウ 「どうしよう……困ったな。 クラウス 「遠くから見るだけでよければいい場所があるぞ。 プリマドール 「ホント！？ 『いい場所』ってどこ？ クラウス 「湖畔だよ。あそこなら湖水の遺跡が見えるぞ。 プリマドール 「だってさ、ルウ！ 湖畔に行ってみようよ！ ルウ 「僕はかまわないけど……。 「プリマドールを連れ出してだいじょうぶでしょうか。 もしものことがあったら……。 クラウス 「なあに、ルウ君がついていれば安心だよ。 プリマドール 「ルウ、はやく行こうよ〜。 クラウス 「行っておいで。ルウ君もいい気分転換になると思うよ。 ルウ 「はい。 「プリマドール、行こう！ プリマドール 「やったあ♪ クラウス 「プリマドール君が元気になって私もうれしいよ。 「エレナとプリマドール君が仲良くなってくれるといいが……。 「アミュレットが完成するまでもう少し待ってくれたまえ。 「プリマドール君に、外の世界を見せてあげるのもいいかもしれないね。 クラウスの店 プリマドール 「ねえねえ！ はやく湖を見に行こうよ！ 「はやくつれてってよ〜！ ミラ 「街の外に行くの？ あまり遠くに行っちゃだめよ。 「晩ごはんまでには帰ってらっしゃいね。 噴水広場 ニール 「かわいい坊やだね。この子、なんて名前なんだい？ プリマドール 「坊やじゃないよ！ プリマドールだよ！ ニール 「おっ！ 元気だなあ。 ニール 「この前、森に行ってきたよ。 だけどモンスターがいっぱいですぐに逃げてきちゃったんだ……。 「おもしろい品物を見つけたら僕にも見せてくれないかな。 マルコ 「あれ？ この子、誰？ プリマドール 「プリマドールさっ！ マルコ 「ふうん……おもしろい名前だね。今度、いっしょに遊ぼうよ！ プリマドール 「うん！ マルコ 「そうだ！ エレナもさそってピクニックに行こうよ！ 「今度、いっしょに遊ぼうね。 マーカム 「小さな子供のお世話とは感心ですな。 少ないですが、おこづかいをさしあげましょう。 ５０Ｇゲット！ マーカム 「都に残してきた子供たちを思い出しますな。 「元気があって、けっこうなことですな。 トニオの店 『本日は店内整理中です。また明日どうぞ！ トニオ』 裏通りへ行こうとする プリマドール 「寄り道なんかしないで湖に行こうよ！ 「どこ行くの？ 湖は、そっちじゃないよ！ 宿屋 カーサ 「おや、かわいい子を連れてるじゃないか。 プリマドール 「このノート、なに？ カーサ 「それは宿帳っていうんだよ。記録をつけてみるかい？ 部屋へ行こうとする カーサ 「今、あんたの部屋は掃除中なんだよ。ちょっと待っとくれ。 教会 エレナ 「まあ！ プリマドールさん。お出かけですか〜？ プリマドール 「うん。湖を見にいくんだ！ エレナ 「なるほど〜。気をつけてくださいね。 エレナ 「お父さんの研究がうまくいくようにおいのりに来たんです♪ ホテル リーソン 「申し訳ございませんがただいま満席でございます。 「ただいま満席でして……。またのご利用をお待ちしております。 ソーリン 「おや、その子は……。幼いながらも、気品のある顔だちですね。 都の貴族のご子息でしょうか？ 「ただいま満席でして……。またのご利用をお待ちしております。 船着き場 デービス 「すまんな。子供が喜ぶような大きい船は、しばらく来ないんだ。 「好きなだけ遊んでいくといい。 「子供が水に落ちないように見はっておけよ。 一瞬の油断が、とり返しのつかない事故につながるぞ。 グレアム 「このボウズ、いいツラがまえをしているな。 ビシビシきたえれば、きっと強くなるぞ。 プリマドール 「そりゃそうだよ！ ボクはデキがちがうもん♪ グレアム 「よし！ さっそく訓練だ！ プリマドール 「ええっ！？ グレアム 「はっはっは、冗談冗談。 グレアム 「ボウズ、あとで俺のところに来い。おもしろい話を聞かせてやろう。 「この前、俺も湖水の遺跡を見てきた。 妙な場所だったぜ。大きな祭壇があるだけで、他にはなにもねえ。 街外れの草原 ロッド 「なんだ、オレ様とバトルしに来たのか？ ……と思ったが、違うみてぇだな。子守りが終わったら、バトルしに来いよ。 プリマドール 「ルウ、この人だれ？ ロッド 「フッ、知りたいなら教えてやるぜ！ オレ様はロッド・ザ・ブレードスター！ プリマドール 「なんだかわからないけどスゴそうな人だね……。 ロッド 「プリティーなボーイだぜ。オレ様とバトルできるのはまだまだ先だな。 「おめぇら、お似合いのコンビだぜ。 「子守りが終わったら、バトルしに来いよ。 ジョニー・ウルフに話し掛ける ロッド 「そいつはジョニー・ウルフ。オレ様のベストフレンドだ。 プリマドール 「ジョニー・ウルフっていうんだ……。カッコいい名前だね！ ロッド 「フッ……オレ様のネーミングセンスはパーフェクトだからな。 ジョニー・ウルフがついてくる ロッド 「楽しそうじゃねぇか。オレ様も参加するぜ。 ロッドもついてくる |
≪湖畔≫
| プリマドール 「うっわ〜……。おっきな木だなあ……。 ルウ 「そうか……街の外に出るのははじめてだったね。 プリマドール 「なんだろう……いいにおいがするよ。 あったかくて、やわらかくてなんだかほわほわした気分になるんだ。 ルウ 「きっと、お日さまのにおいだよ。 プリマドール 「そっか……これが……。 ボク、ずっとつめたい箱のなかにいたからわかんなかったよ……。 ルウ 「…………。 プリマドール 「ルウ、かけっこしよう！ ルウ 「え？ プリマドール 「この坂をのぼれば、湖が見えるんでしょ？ どっちが先につくか、競争しようよ！ ルウ 「……そうだね、そうしよう。 プリマドール 「ずるしちゃだめだよ！ 「いちについて〜！ よーい…… 「どんっ！ プリマドールとかけっこ |
| 勝った プリマドール 「ルウは足がはやいなあ……。 やっぱりかなわないや。 ルウ 「君だってがんばったよ。 プリマドール 「へへっ、そう？ こんな広いところで思いっきり走るなんて はじめてだから、楽しかったよ。 |
負けた プリマドール 「へっへ〜ん♪ ボクの勝ちだねっ！ ルウ 「ずいぶん足が早いなあ。おどろいたよ。 プリマドール 「へへっ、そう？ こんな広いところで思いっきり走るなんて はじめてだから、がんばったんだ。 |
プリマドール 「あれが湖水の遺跡かあ……。あそこに【遺産】があるんだね。 ルウ 「そうだよ。あそこにエイオンの……ヴァレンの【遺産】が眠っているんだ。 （その【遺産】でクレアを……。 プリマドール 「あれ？ ルウ、なんだかヘンな顔してるよおなかでも痛いの？ ルウ 「そんなことないよ。 プリマドール 「だったらいいけど……ちょっと心配だな。 だってさ、ルウってときどきすごく悲しそうな顔をするんだもん。 どこかが痛くて泣き出したいのにむりやりガマンしているときみたいな顔をさ。 ルウ 「…………。 プリマドール 「エイオンの【遺産】かあ……。 あの遺跡の封印を解くためにボクは生まれ……ちがうや、つくられた。 それがボクの役目……使命なんだ。ボクにはそれしかできないんだ。 その使命をはたしちゃったらボクは、なにをすればいいんだろう……？ 「ルウ……ボクはどこへ行けばいいんだろう？ 「ボクは道具なんだ。【遺産】に近づくための。 ルウが【遺産】を手に入れたら道具のボクの使命もなくなって ボクは……ボクは……。いらない道具になっちゃうよ……。 ルウ 「だいじょうぶだよ。君は……道具なんかじゃない。 プリマドール 「だけど……だけど……。 ルウ 「もし君が道具だったとしても君は生きてて、ここにいる。 生きているってことだけで君は幸せなんだ。 生きていればなんでもできるんだから。 つらいことや悲しいことがあってもそれより大きな幸せや楽しみを見つけられる。 なくしてしまったものだって生きていれば、いつかは取りもどせる。 生きてさえいれば……。 プリマドール 「ルウ……。 ルウ 「だから……泣かないで。 プリマドール 「うん……ありがとう。 |
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≪カローナの街≫
| 噴水広場 プリマドール 「クラウスさんの部屋に戻った方がいいんじゃない？ 「たのしかったなあ……。クラウスさんにも話してあげよっと。 湖畔・裏通りに行こうとする プリマドール 「あれ？ クラウスさんちに帰るんじゃないの？ 「ボク、くたびれちゃった……。おうちに帰りたいな。 ホテルに入ろうとする プリマドール 「クラウスさんちに帰ったほうがいいんじゃない？ クラウスの店 ミラ 「おかえりなさい。もうすぐ晩ごはんにするわ。 「うちの人が地下室で待っているわよ。 店の地下 プリマドール 「クラウスさん、ただいまっ！ クラウス 「やあ、おかえり。湖の景色はどうだったね？ プリマドール 「すごくキレイだったよ！ かけっこもしたんだ！ クラウス 「……いい顔をしているね。よい気晴らしになったかな。 プリマドール 「うん！ たのしかった〜♪ クラウス 「ははは、それはよかった。 「実はね……。私からもプレゼントがあるんだ。 「ほら！ ルウ 「それは……。 プリマドール 「アミュレットだ！！ クラウス 「その通り！ ついさっき完成したところさ。 さ、プリマドール君につけてあげよう。 プリマドール 「ふしぎだ……なんだか体がほわほわするよ。 「わかった！ これ、お日さまのにおいだ！ きもちいいなあ……。 クラウス 「喜んでもらえてよかった。私もうれしいよ。 「いよいよだぞ、ルウ君！ これで準備はととのった。【遺産】の封印を解けるぞ！ ルウ 「はい！ プリマドール 「クラウスさん！ ボク、がんばるよ！ クラウス 「頼むぞ、プリマドール君！ それではさっそく湖水の遺跡に出発しよう！ ルウ 「今、すぐにですか！？ クラウス 「もちろん！ 善は急げと言うじゃないか！ さあ、出発しよ……う？ 「おや……？ ルウ 「クラウスさん！？ プリマドール 「ど、どうしたの！？ クラウス 「ううう……むにゃ。 |