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あつめろ!カノンオーブ



≪メルのアトリエ≫

アトリエの中
メル
 「あら、いらっしゃい。

マヤ
 「ちょうどよいところに来てくださいました。お姉さまに、話したいことがあるのです。

ミント
 「あたしに?

マヤ
 「メルさんに手伝っていただいてヴァレンの【遺産】について調べましたわ。
  ……デュープリズムのことを。

 「お姉さま、あれはおそろしいものですわ!
  あんなものを、この世に解き放ってはなりません!

ミント
 「おそろしいって言われたってさっぱりわかんないわよ。
  結局、デュープリズムってどーいうものなの?

メル
 「あれは……力のしずくの結晶よ。

ミント
 「へ?

メル
 「この世界……いいえ、この宇宙にはさまざまな力が渦巻いているわ。
  太陽が輝く力、海がうねる力風が吹きゆく力、
  大地が震える力生命と時間がめぐる力……。
  宇宙は巨大な力のかたまりなのよ。
  それにくらべたら、わたしたちの魔法なんて子供だましね。
  どんな魔術師でも……エイオンでも
  宇宙にみなぎる力のしずくの一滴にさえ、かなわないわ。

ミント
 「力のしずく?

マヤ
 「天のしずく、地のしたたり時のしぶき、生命の露……。
  宇宙をみたす力の源からごくわずかずつ、したたり落ちた
  純粋なエネルギーのかたまりですわ。
  ヴァレンは、それに目をつけたのです。
  わずかな力のしずくを集めて凝縮し結晶化して……。

メル
 「デュープリズムをつくったのよ。

ミント
 「…………。

メル
 「宇宙の力を結晶してつくられたデュープリズムは……万能の魔宝よ。
  デュープリズムを手にした者は宇宙そのものを支配するでしょう。

ミント
 「ふ〜ん……。聖域には、そんなスゴイものが眠っているわけね。

メル
 「まちがいないでしょうね。
  聖域の最も奥に、ヴァレンとデュープリズムが待っているわ。

マヤ
 「そして……ドールマスターも!

 「わたくしはすっかりあの男を信用していました……。
  自分の未熟さがはずかしくて頭痛がしますわ!

ミント
 「あんたって、しっかりしてるように見えてけっこう、お人よしなのよね〜。
  そんなことだからドールマスターなんかに利用されちゃうのよ。
  あたしが国にいればこんなことには、ならなかったのにね〜。

マヤ
 「お姉さまは、ずるがしこいですからあの男にだまされなかったでしょうね。

ミント
 「ずるがしこいってどーいう意味よ!!

 「あ〜っ!

マヤ
 「どうなさいました?

ミント
 「マヤ、ひとつ教えて。
  2年前、あんたがあたしの王位継承権をうばったのは、どーして?

マヤ
 「それは……ドールマスターに説得されたからですわ。
 『ミント殿下がいるかぎりこの国に平和はない』と言われて、わたくしは……。

 「はっ!?

 「もしや、ドールマスターは邪魔なお姉さまを追いはらうために……。

ミント
 「あんたをそそのかして、あたしの王位継承権をうばわせた、ってわけね。

マヤ
 「怒ったお姉さまが家出するのも、すべてあの男の計算どおりだったのですね……。
ミント
 「ってことは……!!

 「あたしが家出したのって、あいつのせい!?
  あたしがさんざん苦しんだのはぜんぶあいつのせいだったのね!
  おのれ……なんてセコイ陰謀を! 許さんっ! ボコボコにしてやるっ!!
メル
 「威勢がよいのはけっこうだけれどどうやってボコボコにするのかしら?
  ドールマスターという男は、もう聖域に行ってしまったんじゃない?

ミント
 「えーっと、たぶん……。

メル
 「では質問するけれど、あなたはあの空の城に行く方法を考えているの?
ロッドから聞いていない
ミント
 「あ。

 「すっかり忘れてた……。

マヤ
 「やっぱり……お姉さまのことだから
  そんなことだろうと思いましたわ。

ミント
 「なぬ!

メル
 「仲がいいのはけっこうだけれど
  けんかはやめてちょうだい。

ミント
 「あたしとマヤが、仲がいいですって!?
  冗談じゃないわ!!

マヤ
 「わたくしだって、イヤですわ!

ミント&マヤ
 「フン!
 「ふん!

メル
 「しょうのない子たちね……。

 「ミント、これを持っていきなさい。
  聖域に行く役に立つはずよ。

ミント
 「これ……なに?

メル
 「カノンオーブというアイテムよ。
  炎の魔力を封じ込めてあるわ。

ミント
 「わかった! これで空を飛べるのね!

メル
 「ぜんぜんハズレ♪

ミント
 「じゃあ、なんの役に立つのよ!

メル
 「それは自力で考えてね♪
  わたしが手伝えるのは、ここまでよ。

ミント
 「……ちぇっ、ケチ。
  ま、いーわ! いろいろ歩きまわれば
  ヒントも見つかるでしょ!
 先にロッドから聞いた
 ミント
  「あったりまえじゃない♪
   聖域に行く方法ぐらい
   ばっちり考えてるわよ。
   そのためにはカノンオーブって
   アイテムが必要なのよね〜。

 メル
  「カノンオーブなら持っていたわよ。

 ミント
  「へ?
  『持っていた』って?

 メル
  「ポプルプルルの子たちにねだられて……。
   あげてしまったのよ。

 ミント
  「なぬ!?

 メル
  「あの子たちが持っていると思うわ。
   事情を話して、貸してもらうことね。

ミント
 「そっか……。じゃあ、そーするわ。

 「よし……これでまた一歩
  デュープリズムに近づいたわね!
ミント
 「待ってなさいよ、デュープリズムっ!
  ヴァレンだかなんだか知らないけどバッチリあたしのものにしてやるわ!

マヤ
 「お姉さま、今なんとおっしゃいました!?
 『あたしのものにしてやる』ですって!?

ミント
 「当然じゃな〜い。聖域に乗りこんだらデュープリズムをゲットよ!
  もちろん、ドールマスターもボコボコにしてやるけどね!

マヤ
 「まだそんなことを言っているのですか!?
  あれは、とてつもない魔宝なのです! 人間が手を出してはいけませんわ!

ミント
 「カタイこと言うんじゃないわよ。

マヤ
 「そういう問題ではありませんっ! ああっ……頭痛がしますわ!

ミント
 「だけど、ぼんやりしてたら、【遺産】はドールマスターの手に落ちるわ。
  あんなやつが【遺産】を持つよりは
  あたしが手に入れたほうがまだマシだと思わない?

マヤ
 「どっちもどっち、という気がしますわ。

 「メルさんも、お姉さまに言ってください!【遺産】に手を出してはいけない、と!!

メル
 「やめておくわ、わたしが言ってもミントは聞いてくれないもの。

ミント
 「そ〜よ。誰がなんて言ったってあたしは絶対にあきらめないわ!
  カならず【遺産】を手に入れて……。

 「世界を征服してやるのよっ!

マヤ
 「…………悪夢ですわ。

メル
 「その意気よ、ミント。これからなにが起こってもあきらめずに進みなさい。
  自分の力を信じて突き進めば結果なんて後からついてくるわ。
  途中で逃げたりしたら許さないわよ。その時は……。

 「ボン♪

ミント&マヤ
 「うひゃあ!?
 「きゃあっ!?

ミント
 「あ〜、びっくりした……。

メル
 「景気づけの花火よ♪ ミント、がんばってね。応援しているわ。

ミント
 「まかせといて! ちゃちゃっと片づけて世界を征服してやるわ!

 「じゃ、行ってくるわね!
  あんたはここで、あたしの大成功を祈ってるのよ! わかった?

マヤ
 「え!? どうしてわたくしが……!?

ミント
 「それじゃ、メル! マヤをよろしくね!


メル
 「あいかわらず、台風みたいに元気いっぱいな子ね。

マヤ
 「もう誰もお姉さまを止められませんわ……。世界は、どうなってしまうのでしょう?


メル
 「マヤのことは、わたしにまかせて。責任を持ってあずかるわ。

 「どうしてもヴァレンの聖域に行きたいならもう止めはしないけれど……。
  覚悟はしておくのよ、ミント。

 「デュープリズムの力は危険よ。惑わされないようにくれぐれも気をつけなさい。

 「ルウはもう飛び立ったわ。あの子も必死なのね……。


マヤ
 「もしお姉さまが世界を征服したら……。想像するだけで頭痛がしますわ!

 「まさかドールマスターがあんな野望をかくしていたとは……。
  わが王国の誰一人として気づきませんでしたわ。

 「お姉さまにデュープリズムを持たせるのは強盗に武器を渡すようなものですわ!

 「お姉さま……気をつけてくださいましね。いろいろな意味で。


アトリエの外※カノンオーブを貸してもらう時のみ
ポプルプルル人
 「かのんおーぶ? ボクはよく知らないのだ〜。よそでさがすのだ〜。


ポプルプルル人
 「かのんおーぶ? それならボクたちがもってるのだ〜。
  貸してほしかったらボクたちとあそぶのだ〜。

 「かのんおーぶを貸してほしかったら
  ボクのラッパ(ボール・ブランコ)であそぶのだ〜。

あそぶ

ポプルプルル人
 「あそんでくれてありがとうなのだ〜。
  かのんおーぶを貸してあげるのだ〜。


ポプルプルル人
 「ゴロタンは、おひるねしてるからあそべないのだ〜。

 「ゴロタンとゴロツキは、
  名前が似てるけどゴロタンのほうがずっと強いのだ〜。

 「今日の夕ごはんは、ボクが当番なのだ〜。
  今日のメニューはカボチャづくしなのだ〜。
   

≪カローナの街≫

クラウスの店の地下
クラウス
 「マヤという王女さまはだまされていたのか……。


街外れの草原
ロッド
 「おう、ミント。グッドなタイミングで来たな。おめぇに話があるぜ。

ミント
 「へ? そーなの?

ロッド
 「なあミント、おめぇは今空を飛ぶ方法をさがしてねぇか?

ミント
 「なぬ!? どーして知ってるの!?

ロッド
 「フッ! おめぇの熱いソウルを感じたのさ!
  突然、空にビッグな城が現われたんだ。
  なんにでも首をつっこむおめぇがこんな大事件をほっとくはずがねぇ。
  なあミント、おめぇはあの城に行きたくて行きたくてジタバタしてるんじゃねぇのか。

ミント
 「ま〜ね。そのとおりよ。
  でも、あんな空の上まで行く方法がさっぱりわかんないのよね〜。

ロッド
 「行けるぜ。

ミント
 「なぬ!?

ロッド
 「オレ様の愛機、スカーレット・タイフーン・エクセレントガンマで飛んでいけばいい。

ミント
 「スカタン号で!? だってあれ、ボートじゃない!!

ロッド
 「勝手にニックネームを省略するなぁ!!
  ちゃんと『スカーレット・タイフーン・エクセレントガンマ』と呼べっ!

ミント
 (あいかわらず細かいコトを気にするわね〜。

ロッド
 「オレ様のグレートマシンはただのボートなんかじゃねぇのさ。
  飛行モードに変形すれば風よりもハイスピードでブッ飛ぶぜ!
  レインボーの上まで、ひとっ飛びだ!

ミント
 「ブサイクなボートだと思ってたけどまさか、そんなヒミツがあったなんて……。

ロッド
 「ボートじゃねぇって言ってるだろうが!!

ミント
 「は〜いはいはい、わかったわよ。
  とにかく、あんたのマシンなら今すぐ空を飛べちゃうわけね!

ロッド
 「いや、ムリだ。
ミント、コケる

ロッド
 「たりねぇモノがあるからな。

ミント
 「それを先に言いなさいよ! で、ナニがたりないってわけ?

ロッド
 「こっちに来な。説明してやるぜ。


ロッド
 「わかるか? オーブがセットされているだろう。

ミント
 「ホントだ……5個あるわね。

ロッド
 「カノンオーブというアイテムでな。ファイヤーの魔力がこめられた宝珠だ。
  オレ様の愛機は、このカノンオーブからエネルギーをゲットして動いてるのさ。
  魔法機関・ソーサルドライブってヤツよ。

ミント
 「よーするに、カノンオーブってのはあんたのマシンの燃料みたいなものね。

ロッド
 「OK、よくわかってるじゃねぇか。
  カノンオーブが多ければ多いほどオレ様のマシンはパワーアップするのさ。
  水上を走るなら、オーブは5個で充分だが空を飛ぶとなると10個は必要になる。

ミント
 「でも、ここにあるのは5個だけ……。だから、今すぐ飛べないってわけか。
メルからカノンオーブをもらっている
ミント
 「カノンオーブなら1個持ってるわよ。

ロッド
 「な、なにィ!

ミント
 「ほら、コレでしょ?
  ファンシー・メルにもらったのよ。

ロッド
 「おおっ!! こいつはまさしく
  カノンオーブ!!

ミント
 「これで6個……ってことは、あと4個ね!
  まかせといて!
  ちゃちゃっと見つけてくるわ!
アトリエに行っていない
ミント
 「5個も集めなきゃならないのか……。
  ううっ、めんどくさ〜。

 「でも、ヴァレンの聖域に行くには
  オーブを探すしかないか……。

 「わかったわ!
  5個のカノンオーブ、どーにかして
  見つけてくるわ!

ロッド
 「まずはカノンオーブを集めてきな。でねぇと話がスタートしねぇぜ。

 「オレ様のグレートマシンに不可能はねぇのさ。
  空のいちばん高ぇところまでひとっ飛びで連れてってやるぜ。

 「オレ様のグレートマシンの名前をちゃんと覚えてるか?
  スカーレット・タイフーン・エクセレントガンマだぜ。


クラウスの店
ミラ
 「カノンオーブだったら、うちの人が持っているかもしれないわ。

 「ルウ君は、怒りの山に行ったわ。
 『翼をさがしに行く』って言っていたけどどういう意味なのかしら……?

 「プリマちゃんのことを考えると心配で心配で……。
  あの子がうちにいたのは、ほんの短い間だったのに、
  まるで本当の子供みたいに思えるのよ……。

 「プリマちゃんがいなくなってエレナもさびしがってるわ。


クラウスの店の地下
エレナ
 「ミントさん、こんにちわ〜♪

ミント
 「クラウスさんに、聞きたいことがあるの。

クラウス
 「ふむ、なにかね?

ミント
 「カノンオーブってアイテムをさがしてるのよ。

クラウス
 「カノンオーブだって? ちょっと待ってくれたまえ。

 「これのことかな。

ミント
 「おおっ♪ そーよ! それよ、それ!

 「クラウスさんっ! それ、ちょーだい!

クラウス
 「それはかまわないが……。なにに使うのかね?

ミント
 「決まってるわ! こいつを使ってヴァレンの聖域に行くの!

エレナ
 「ヴァレンの聖域ってなんですか〜?

ミント
 「空に浮かんでる、でっかい城のことよ。
  あそこにヴァレンの【遺産】デュープリズムがあるのよね〜。

エレナ
 「シュークリームですか〜。おいしそうですねえ♪

ミント
 「…………。

クラウス
 「やはりあそこにはヴァレンの【遺産】があるんだね。

ミント
 「そーみたいよ。

クラウス
 「ふむ……なるほど。

 「ミント君、ひとつ質問していいかね。あの聖域とやらを見て、君はどう思う?

ミント
 「もっちろん、ワクワクしてくるわ!
  ずっとさがし求めてきた【遺産】があそこにあるんだから!

クラウス
 「…………。さすがだね、ミント君。

ミント
 「へ?

クラウス
 「私はね、あれを見上げているとおそろしくなるんだ。
  私は魔法については素人だが、あれがすごい魔力を持っていることはわかる。
  見上げるだけで、背筋が寒くなるよ。
  ずっと【遺産】をさがして研究してきたが
  いざ目の前に現われてみればこのていたらくさ。

 「だが、ミント君は違うようだ。
  あれを見て、おびえないなんて君はとても元気で勇気があるね。
  君は気づいていないかもしれないが君の元気は、とても貴重なんだよ。

エレナ
 「ミントさん、すごいですっ!

ミント
 「ホメられるのはうれしーけどたいしたコトじゃないわよ。
  あたしはただ【遺産】がほしいだけだもん。

クラウス
 「そして【遺産】を手に入れたら世界を征服するのかね。

ミント
 「とーぜんよっ!

クラウス
 「ははは……ミント君が世界を征服したらさぞかし楽しい世の中になるだろうね。
  一生、退屈せずにすみそうだ。ぜひ実現してくれたまえ。

 「では、これは君にあずけるよ。

ミント
 「クラウスさん、ありがとっ♪ ばっちり決めてくるわ!

エレナ
 「ミントさん、がんばってくださいね〜♪

ミント
 「安心して、クラウスさん。

 「プリマは、かならず助けるわ。

クラウス
 「ミント君……。

ミント
 「やることがたくさんあってイヤになっちゃうけどさ〜。
  ガキンチョひとりを助けるぐらいあたしの実力があれば余裕よ、よ・ゆ・う!

クラウス
 「そうか……よろしく頼むよ。

ミント
 「まかせといて♪


エレナ
 「ミントさんってカッコイイな〜。

クラウス
 「ああ、そうだね。ミラの若い頃にそっくりだよ。

エレナ
 「ええっ!? お母さんってミントさんみたいな人だったの?

クラウス
 「そうとも。いつも全力で走っている女の子だったよ……。


クラウス
 「ミント君……もう君に頼むしかない。プリマドール君を助けてやってくれ。

 「ミント君……よろしく頼む。
  君の元気と勇気があればこわいものなど、なにもないだろう。

 「そういえば、ホッブスさんの店でカノンオーブらしきものを見かけたよ。

 「ルウ君の姿が見えないんだ。心当たりはないかね?


エレナ
 「ミントさん、がんばってくださいね〜!

 「あんな大きなお城が空に浮かぶなんて……。
  さっすがシュークリームですね〜。

 「ルウさんがいないんですよ。どこに行ったんでしょう?

 「シュークリームを取ってきたらみんなでお祝いをしましょう!


酒場
ベル
 「おや、ミントかい。

デューク
 「俺たちに、なにか用か?

ミント
 「聞きたいことがあるのよ。あんたたち、カノンオーブって知ってる?

デューク
 「カノンオーブ? おう! それなら知ってるぜ!

ミント
 「ホント!? 教えて教えて! どーしてもカノンオーブがいるのよ!

ベル
 「なんのために必要だってんだい? ちょいと話してみな。

ミント
 「それがね……。


ベル
 「じゃあ、あんたはあの空の城に行くつもりなのかい!?

ミント
 「あったりまえじゃない。あそこには【遺産】があるのよ!

ベル
 「あきれたね。あれだけヒドイ目にあってもまだ【遺産】を手に入れるつもりかい。
  あんたの根性は、ヒネ曲がってるけど筋金入りに強烈だね。

ミント
 「うぐ! 悪かったわね!

デューク
 「あねさん、どうします? カノンオーブのことを教えてやりますかい?

ベル
 「そうだね……。

 「カノンオーブならあたしらも1個持ってるよ。

ミント
 「ホント!?

デューク
 「ヘクサゴンさ。あいつはカノンオーブの力で動いてるからな。

ベル
 「ヘクサゴンのオーブを取り外してあんたに貸してやってもいいよ。

ミント
 「おおっ♪ 話がわかるじゃな〜い♪

ベル
 「ただし、ひとつだけ条件があるけどね。
  いや……頼みと言ったほうがいいかもしれないねえ……。

 「ルウを、助けてやっとくれ。

ミント
 「へ? ルウを?

デューク
 「あねさん……。

ベル
 「ルウは……あの子は必死すぎるんだ。
  必死になって、思いつめて自分を追いつめちまってる。
  今にもこわれそうだよ、あの子は……。

ミント
 「…………。

 「そうかもしれないけど……。たいへんなのは、みんな同じだと思うけどな〜。
  あたしの過去だってけっこうキツイわよ〜。

ベル
 「そうやって明るく言えるのはあんたが強いからさ。
  それぐらい強ければルウを助けてあげられるよ。

デューク
 「悔しいが、俺たちの力ではルウを助けてやれそうにないしな。

ミント
 「そんなこと言われても……。あたしは、なにをすればいーの?

ベル
 「さあね……実はあたしにもわからないんだよ。
  あんたなら、どうにかできると思うから頼んでるのさ。

ミント
 「む、無責任な……。

デューク
 「俺たちのヘクサゴンをバラすんだ。それぐらいは、やってもらうぜ。

ミント
 「うぐ!

ベル
 「イヤだと言うなら、カノンオーブは……。

ミント
 「わかったわよ! なんとかするわよ!

ベル
 「…………すまないね。

 「デューク! 行くよ!

デューク
 「へいっ、あねさん!

ミント
 「あんたたち、どこ行くの?

ベル
 「ヘクサゴンからオーブを外してくるのさ。あとでロッドのところにとどけてやるよ。


ミント
 「ルウを助ける、か……。あたし、なにすればいいんだろ?

 「ううううう……さっぱりわかんないわ!

 「ま、なんとかなるでしょ♪ その時に考えればいーわね!
 

≪カローナの街≫

ホッブスの店
ミント
 「ん? あれは……もしかしてっ!

 「カノンオーブ!!

 「こんな店で売ってるなんて思わなかったわ……。値札がついてるわね。いくらかな?

 『カノンオーブ ひとつ100G』

 「買った!!


ホッブス
 「コリャ! お金が足りんぞい。

ミント
 「はあ? 『ひとつ100G』って値札がついてるじゃない。

ホッブス
 「冗談を言っちゃいかんぞい。こんな貴重品を、100Gぽっちで売るわけないじゃろう。
  値札をよく見てみぃ。ちゃんと正しい値段が書いてあるじゃろ。

ミント
 「言われてみれば……。『100』と『G』の間にゴミみたいな字があるわね。
  字が小さすぎて読めないわよ。なんて書いてあるの?

ホッブス
 「もちろん『万』じゃ。

ミント
 「なぬ!? ってことは……。

ホッブス
 「カノンオーブは、ひとつ100万Gじゃ。

ミント
 「ひゃっ……! ひゃくまんんんん!?!?

ホッブス
 「目玉が飛び出る安さじゃろ。出血大サービス価格じゃよ。

ミント
 「ど、どこがよっ!!! そんなの払えるかっ!

ホッブス
 「それなら、ムリに買わんでもいいぞい。お客は、おまえさんだけではないからのう。

ミント
 「こ……このジジイ!

ホッブス
 「さて、どうするね?


おどす
ミント
 「100万Gなんて、ふざけた値段をつけるんじゃないわよ!
  あくどい商売してるとあたしの魔法でボコボコにするわよ!

ホッブス
 「この店には、危険な薬品が山積みだぞい。
  へたに魔法なんぞ撃ったら、大爆発しておまえさんまで黒コゲになるのう。

ミント
 「なぬ!? そんなの、どーせハッタリでしょ!

ホッブス
 「ならば試してみることじゃな。どうなってもワシは知らんぞい。


ミント
 「このジジイ……! ノホホンとしてるクセに、勝負師ね!


泣き落とす
ミント
 (こーなったら、あたしの演技力で……!

 「ううっ……ヒドイ! ヒドすぎるわ!
  重い病気で苦しんでいるパパが暗い屋根裏部屋であたしの帰りを待ってるのに!
  カノンオーブさえあればパパの病気もケロリと治るのよ!
  それなのに! ああ、それなのに!

 「ううっ! なんてかわいそーなパパ!

ホッブス
 「今夜の夕食のメニューはなんじゃろう。あとでバァさんに聞いてみるかのう。

ミント
 「あっさり無視するなっ! がんばって演技してるんだから!

ホッブス
 「はて、演技とな?

ミント
 「あ。

 「し、しまったあああ! 自分からバラしちゃった……。

ホッブス
 「その程度のヘボ演技ではワシはだませんぞい。


かっぱらう
ミント
 (口で言っても、ムダみたいね。こーなったら、スキをついてかっぱらってやるわ!

 「…………。

ホッブス
 「…………。

ミント
 「…………。

ホッブス
 「…………。

ミント
 「…………。

ホッブス
 「…………。

 「言っておくが、ワシはスキなど見せんぞい。

ミント
 「ぎく!

 (な、なんでバレたの!?

ホッブス
 「そんなギラギラした目で見ていたらすぐにわかるぞい。


ホッブス
 「そんなにカノンオーブがほしければ誰かに金を借りてきたほうが早いぞい。

ミント
 「あ、そっか!

 「でも、誰に借りたらいいかな〜。
  ルウのやつはお金持ちには見えないしベルも宿屋のツケがたまってるみたいだし。
  クラウスさんのお店ももうかってなさそうだしなあ……。
  ロッドは……お話にならないわね。あいつのビンボーは、ハンパじゃないわ。

 「ううう……誰もいないっ!

 「あ!

 「あいつを忘れてたわ! あいつなら、100万Gぐらいポンと払えるはずよ!

 「ねえねえ! あたしのかわりにお金を払ってくれるヒトがいるわ!

ホッブス
 「ほほう。そりゃ誰じゃ?

ミント
 「それはね……。


ホッブス
 「よし、わかったぞい。100万Gぶんの請求書はそっちにまわせばいいんじゃな。

ミント
 「よろしくっ♪

ホッブス
 「では取引成立じゃ。カノンオーブを渡すぞい。

 「と、思ったが……。やっぱり、おまえさんから保証金をもらっておくかのう。
  10000G(※)払ってくれたらカノンオーブを渡すぞい。

ミント
 「うぐ!? しっかりしてるわね……。
10000G支払う
※おどす選択時は15000G
 泣き落とす選択時は5000G

ホッブス
 「では、カノンオーブを渡すぞい。
  残りの代金の請求書は
  例の相手に送っておくぞい。

ミント
 「よろしくっ♪


ホッブス
 「おっ、なにか買ってくか?
金が足りない
ホッブス
 「お金がぜんぜん足りんぞい。
  ビタ一文まけんぞい。

店から出る
ミント
 「100万Gは大金だけどあいつだったら、なんとかするでしょ。

 「ね、マヤ♪


街外れの草原
ベル
 「カノンオーブは集まったかい。

ミント
 「とりあえず、3個集めたわ。

ベル
 「あたしも、ヘクサゴンに装着されていたオーブを持ってきたよ。
  あんたが集めた3個とロッドが最初から持っていた5個で全部で9個だね。

ミント
 「あと、ひとつか……。

 「あれ?

 「デュークがいないじゃない。めずらしーわね。あんたたち、いつもいっしょなのに。

 「ロッドもいない……。あいつら、どこに行っちゃったの?

ベル
 「あたしも知らないんだよ。ふたりだけでカノンオーブをさがしに行っちまったんだ。

ミント
 「へ? あのふたりってそんなに仲がよかったっけ?

ベル
 「あたしも知らなかったのさ。デュークのやつ、ちょくちょくロッドと試合をしていたそうだよ。

ミント
 「ヘ〜、そーだったんだ。それにしても、あいつらどこに行っちゃったんだろ……。

ベル
 「あたしを置いていくなんてデュークのやつ、なに考えてるんだか!
  帰ってきたら、おしおきだよ!!

 「はあ……。とっとと帰ってきておくれよ……。

ミント
 「ベル……デュークが心配なの?

ベル
 「えっ……!!

 「じょ、冗談はおやめ!!
  このベル様が、あんなトンチキの心配なんか、するわけないだろ!
  そりゃ、あいつといっしょでないと食事も酒も、まずいけどさ……。

ミント
 (めちゃめちゃ心配してるじゃない。やっぱベルって素直じゃないわよね〜。

ベル
 「あっ!!

 「あんたたち!?

ロッド
 「ただいま帰りましたぜ、あねさん!

 「あねさん、心配おかけしました!

ベル
 「なにが『心配かけました』だいっ!
デュークをブッ飛ばす
  あたしの命令もないのに勝手に行動するんじゃないよ!
  今回だけは許してやるけどまたやったら許しゃしないよ!

ロッド
 「す、すみません……。

ロッド
 「待てよ、ベル。ホットになるのもわかるが今回ばかりは許してくれねぇか。
  オレ様たちふたりで、カノンオーブをきっちりゲットしてきたんだ。
  あのファイヤーだらけのマウンテンでな。そう、オレ様とデュークは……。

 「うぐゥっ!?

ミント
 「ロッド!? あんたひどいケガじゃない!
デュークを踏んづけてロッドの傍へ
デューク
 「いてっ!?

ロッド
 「フッ、みっともねぇぜ……。
  このロッド・ザ・ブレードスターが老いぼれドラゴンにやられるなんてよ……。
デューク
 「いたい……。

ロッド
 「くわしい事情は、あとで俺が説明する! 早くロッドを手当てしてやってくれ!



「俺は、とある情報を聞きつけたのさ。
『怪焔竜ウィーラーフがカノンオーブを持っている』ってな。
 そこで、俺とロッドは怒りの山に登ってウィーラーフに挑戦したんだ。
   

≪怒りの山≫

山頂
ウィーラーフ
 「カノンオーブが欲しければぬしらの力を示すがよい!

ロッド
 「ぐおっ!?

ウィーラーフ
 「その程度の実力でわしに挑むなど、100年早いわ!
  刃を交えるだけ無駄というものよ! 帰れ!
  ぶざまに逃げ去れば命ばかりは助けてやろう!

ロッド
 「うるせぇっ!

 「ビッグな口を叩くのはオレ様を倒してからにしな!

ウィーラーフ
 「よかろう! ならば望みどおり骨まで灰にしてくれるわ!


ウィーラーフ
 「まだ倒れぬか……。あきらめが悪いのう。

ロッド
 「あたりめぇさ。

 「オレ様はロッド・ザ・ブレードスター!
  この胸に熱いソウルがあるかぎりオレ様は不死身で無敵で不敗で常勝だッ!

ウィーラーフ
 「ほう、ぬしは魂の熱さを誇るか!
  ならば、わしが吐く炎と、ぬしの魂の炎を比してみようではないか!
  わが怪焔、見事受け止めてみせよ!

デューク
 「まてっ、ウィーラーフ! おまえの相手はロッドだけじゃないぜ!

 「このスターライト・デュークが相手だっ!

ロッド
 「遅いぜ、デューク。

デューク
 「すまんっ! 着替えに手間取った!

 「だが、安心してくれ! あんたのぶんまで、俺が戦う!

ウィーラーフ
 「ふぁっふぁっふぁっふぁっふぁっ! はて、珍妙よのう!

 「ぬしらの考えが、まるで読めぬわ。
  ぬしらがカノンオーブを求めるのはおのれのためではないはず。
  なのに、なぜ苦しんで戦うのだ?

ロッド
 「ハッ! 1000年も生きてるくせにわからねぇのか、ウィーラーフさんよ!!

 「答えはたったひとつ……ソウルさ!

 「ミントを見てると、ソウルがメラメラ熱くなりやがるのさ。
  あんなベイビーが、自分の力だけを頼りにエイオンの【遺産】を追いかけている。
  とんでもねぇガッツじゃねぇか!

デューク
 「めちゃくちゃなやつだがスカッとするぜ!

ロッド
 「あいつの願い、かなえてやりたくてよ……。
  だからオレ様のソウルのパワーであいつを応援してやるのさ!!
  これでソウルが燃えてこなけりゃ……。

ロッド&デューク
 「男じゃねえだろ!!
 「男じゃねえぜっ!!

ロッド
 「キメるぜ、デューク!! ビビるんじゃねぇぞ!!

デューク
 「おうっ!!

ウィーラーフ
 「ふぁっふぁっふぁっふぁっふぁっ! 面白いものよのう!

 「ぬしらの心意気、しかと心得た!
  その熱き魂を刃に変えてわが怪焔、見事打ち破ってみせい!
 

≪カローナの街・夜≫

街外れの草原
デューク
 「……そして、ウィーラーフは俺たちの力を認めて、カノンオーブを渡してくれたのさ。
  でも……ロッドが重いケガを……。

 「くそっ! 俺がもっと早くスターライト・デュークに着替えていれば!

ミント
 「あんたたち……。

ベル
 「ったく、なんてムチャをするんだい!

デューク
 「だがミント、喜んでくれ!
  カノンオーブは10個そろったんだ。あの空の城まで、ひとっ飛びだぜ!

ミント
 「まかせといて! あんたたちのぶんまでバッチリ決めてくるわ!

 「ルウのことも……やれるだけ、やってみる。

ベル
 「頼むよ。

ミント
 「プリマも……。

ベル
 「だけど、ひとつ大きな問題がないかい?

ミント
 「へ?

ベル
 「だって、ロッドのマシンで飛んでいくんだろう?
  それなのにロッドがこのケガじゃ……。いったい誰がマシンを操縦するんだい?

ミント
 「あ。

デューク
 「ああああっ!? しまったあ!?

ミント
 「ど、どどどどどーしよう!?

ロッド
 「あわてるんじゃねぇ!

 「俺に、グッドなアイディアがあるぜ。……うぐっ!?

デューク
 「ロッド! 無理するんじゃない!

ロッド
 「情けねぇボイスを出すんじゃねえ!
  オレ様のアイディアにはおめぇの能力が必要なんだ!

デューク
 「俺の能力だって?『なりきり』で、どうすればいいんだ!

ロッド
 「フッ! 決まってるじゃねぇか! デューク……。

  オレ様になりきれ!

 「おめぇが、オレ様になりきって……。スカーレットタイフーン……ぐはっ
  エクセレントガンマを操縦しろ!

ベル
 「なんだってえ!?

デューク
 「そうか! その手があったか! でも、俺にできるだろうか……。

ロッド
 「おめぇならOKさ、デューク。オレ様は、おめぇを信じる!
  オレ様のスカーレット……ぐふっ
  タイフーン……げふげふっ
  エクセレント……がふっ!
  ガンマはジャジャ馬だがおめぇの『なりきり』ならノープロブレムだ。
  空の果てまでカッ飛べるぜ!

デューク
 「…………。

 「わかった……! ロッド! 俺は、あんたになりきるぜ!

ロッド
 「OK! しっかり頼むぜ! オレ様のスカー……むぐゥ
  レット……ぐあっ!!

デューク
 「ロッド、もうしゃべるんじゃない……!

ベル
 「男ってやつは、いくつになっても男の子なんだねえ……。

ミント
 「あたし、燃えてきたわ!

 「こーなったら、なにがなんでも【遺産】を手に入れてやるっ!!
  邪魔するやつは、ひとり残らずあたしの魔法でボコボコにして
  ハッピーエンドになだれこむわ!!

ロッド
 「フッ、タフなベイビーだぜ……。

デューク
 「夜が明けたら出発できるように今すぐ準備に取りかかるぜ!

ベル
 「ミント、今夜はゆっくり休んでおきな。明日はきっと、どえらいバトルになるよ。
 

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