戻る メニュー 次へ



ルウのきおく



≪カローナの街≫

噴水広場
マルコ
 「おじいちゃんに聞いたんだ。
  幽霊やガイコツがたくさんいるコワイ場所があるんだって……。

 「この噴水の水は、湖から引いてるんだよ。

 「ねえねえ、知ってる?
  ゴロツキ兄弟が、お店で万引きしようとして……。
  店にいたグレアムさんにボコボコにされたんだ!


グレアム
 「ロッドに挑戦してみたが……。
  あと一息ってところでやられちまった。俺ももう若くねえな。

 「ロッドの作る武器は、あいつにしか使えん。
  俺がもう少し若ければ、使いこなせたかもしれねえがな……。
  試してみたかったぜ。


クラウスの店
ミラ
 「ゴロツキ兄弟が、ボロボロになって街に逃げて帰ってきたのよ。
  誰かにこらしめられたみたいね。

 「メルさんのアトリエはどうだった? ぜひ感想を聞いてみたいわ。

 「エレナは最近よくミントちゃんと遊んでるわ。


店の地下
クラウス
 「ポプルプルル人が見つかったようだね。
  では、あとはメルのアトリエに行くだけだね。

 「ポプルプルル人はゴロツキ兄弟につかまっていたのか……。
  あの兄弟、悪さばかりして困ったものだ。

 「あのメルのことだ。もうキューブの解読を終えているんじゃないかな。
 

≪メルのアトリエ≫

アトリエの中
ポプルプルル人
 「あっ! ルウなのだ〜。

 「このまえは助かったのだ〜。おうちに帰れて、ボクはうれしいのだ〜。

メル
 「待っていたわ、ルウ。

 「ちょっと外してもらえるかしら。ルウと大事な話があるの。

ポプルプルル人
 「え〜!? せっかくルウが来てくれたのに……。
  でも、メルの言いつけだったらしかたないのだ〜!

 「じゃあね、ルウ! こんどいっしょに遊ぶのだ〜。

メル
 「あの子を助けてくれてありがとう。わたしからもお礼を言うわ。

ルウ
 「メルさん、キューブは……。

メル
 「せっかちねえ……。

 「安心なさい、キューブの調査はすませてあるわ。

 「くわしいことはこれにまとめたから街にもどったらお読みなさい。
メルのレポートをゲット!
キューブをゲット!

ルウ
 「ありがとうございます。ごめんどうをおかけしました。

メル
 「別にいいのよ。片手間でできることなんだから。


メル
 「さぁて……これで用事はすんだけれど……。
  少し時間をもらえるかしら? きみに聞きたいことがあるのよ。

ルウ
 「僕に聞きたいことって……?

メル
 「面と向って話すことではないでしょうけれど……はっきり聞いてしまうわ。
  ルウ……。きみ、人間ではないわね?


ルウ
 「……どうしてそう思うんです。

メル
 「なんと言ったらいいのかな……。そうね、魂の影のようなものかしら。
  ふつう、どんな人間にも魂はひとつだけ。あたりまえのことよね。
  でも……きみは違う。どこか違う。
  見えるのよ、きみのそばに。
  きみの魂だけはでなくもうひとつの魂の影が……。
  きみがふつうの人間だったらそんな現象はありえないわ。

ルウ
 「…………。

メル
 「無神経なことを言ってしまったかしら。気に障ったのならあやまるわ。

ルウ
 「いいんです。……本当のことですから。


ルウ
 「メルさんの言う通りです。僕は……人間じゃない。

メル
 「事情、聞かせてもらえるかしら。

ルウ
 「僕は……5年前、ある遺跡で目覚めました。



遺跡
ルウ
 「う……。ここは……。

 「どこだろう、ここ……。……だめだ。思い出せない。

 「ここは……どこなんだ?

 「今は……いつなんだ?

 「僕は……誰なんだ?

 「つぅっ……。頭が割れそうだ。


ルウ
 「行かなきゃ……。

 (どこへ?

 「わからない……。でも、行かなきゃならないんだ。

 (なんのために?


「遺跡を出てから、僕はさがしつづけた。
 僕はどこに行けばいいのかを。僕はなにをすればいいのかを。
 でも……答えは、どこにもなかった。僕は行くあてもなくさまよって……。


クレアの家
クレア
 「だいじょうぶ、きみ!? こんなところでどうしたの!? しっかりして!!


「それがクレアとの出会いだった。
 見ず知らずの僕なのに彼女はとても優しくしてくれた。
 僕に帰る家がないとわかると
 クレアは、なにも言わずに僕の部屋をつくってくれた。

「たったひとりだった僕はやっと家族を見つけたんだ……。
 クレアという家族を……。

「でも……彼女は……。


ルウ
 「逃げてくれ、クレア! 早く!!

 「やめろ!! やめてくれ!!

クレアが弾き飛ばされる……


ルウ
 「な……。

 「ゆっ……。

 「許さない!!


ルウ
 「クレア! クレア!! 目を覚ましてよ!
  あいつは逃げていった。もう心配ないんだ!
  だから……。おねがいだから……。

 「目を開けてよ、クレア……。

クレアの体から光が出てきて額の石の中に入っていく……
ルウ
 「これは……?


アトリエの中
メル
 「きみとともにある魂の影はクレアという人のものだったのね。

 「ルウ……。きみは、とほうもない悲しみを抱いて歩いてきたのね……。

ルウ
 「あれから3年がすぎてもまだ昨日のことのように思い出します。
  僕は……クレアを救えなかった。

 「だけど【遺産】の力があれば!

メル
 「そう……。きみの考えはわかったわ。
  エイオンの【遺産】ならばクレアさんの生命を取り戻せるでしょうね。

ルウ
 「どんなに時間がかかっても【遺産】を見つけ出し、クレアを救う。
  僕は自分にそう誓ったんです。僕はそのために生きて……戦っている。

メル
 「でもね、ルウ。これだけは知っておいてちょうだい。
  エイオンの……いいえ、ヴァレンの力は危険すぎるのよ。
  あれは破滅を招く力だわ。

ルウ
 「破滅を招く力でもクレアを救えるなら……。

メル
 「この世が滅びてしまってもいいの? 悲しむ人が生まれてもいいの?

ルウ
 「それは……。

メル
 「まだ時間はあるわ。よく考えてちょうだい。


メル
 「あら?

ミント
 「ファンシー・メル〜!? いないの〜? いるならおとなしく出てきなさ〜い!

メル
 「お客様のようね。ルウ、この話はいずれしましょう。


アトリエの外
エレナ
 「あっ! おたまさん、こんにちわ〜。

ミント
 「やっぱりね。ここに来てると思ってたわ。メルにいろいろ聞いたんでしょ?

 「おっ! 『なんでわかったんだ?』って顔してるわね。

 「甘いわね〜。あんたの行動パターンなんてとっくにお見通しなのよ。
  あたしにかくしごとをしてもムダよ。
  だから【遺産】の情報も素直に話したほうがいーわよ。

ルウ
 「やめてくれないか。

 「そういう気分じゃないんだ。

ミント
 「……どしたの? 体の調子でも悪いの?

 「話したくないなら、別にいーけどさ。

 「それじゃ、あたしはメルに会ってくるよ。エレナ、案内ごくろーさま。

エレナ
 「は〜い♪


エレナ
 「ど〜したんですか、ルウさん?

ルウ
 「いや……なんでもない。なんでもないんだ。

エレナ
 「そうですか……? なんだか元気がないみたいですけど。
  メルさんに、なにか言われたんですか?

ルウ
 「そんなことないよ。

 「エレナは、ミントが出てくるまでここで待つのかい?

エレナ
 「ミントさんは『行きだけ道案内すればいい』って言ってたから、もう帰ります〜。

ルウ
 「それなら、街までいっしょに帰ろうか。

エレナ
 「はいっ! おたまさん♪

ルウ
 (そろそろエレナの誤解をなんとかしないとな。


アトリエ入口
エレナ
 「ええっ! ルウさんって、おたまじゃないんですか!?

ルウ
 「そうだよ。おたまにも変身できるけどおたまが正体ってわけじゃないんだ。
  僕の本当の姿は、いま君の目の前にいるルウさ。
  だから僕を呼ぶときは『おたまのルウさん』
  じゃなくて、ふつうに『ルウ』でいいよ。

エレナ
 「おたまがルウさんに変身したんじゃなくて
  ルウさんがおたまに変身したんですね?
  な〜んだ、そうだったのかぁ……。
  でもでも、ルウさんってど〜して変身できるんですか?

ルウ
 「それは……その……。

エレナ
 「う〜……。そうやってヒミツにされると気になっちゃいます〜。

ルウ
 (言えやしないさ。『僕は人間じゃない』なんて……。

※前回デュークと戦った場合はこのまま何事もなく街に帰る

エレナ
 「あれ? 誰かいますよ〜?

ルウ
 「デューク…………なにやってるんだ?

デューク
 「ほほうっっ! 俺のカンペキな変装を一発で見やぶるとはな。
  さすが俺のライバルだぜ!

ルウ
 「ふつう、誰だって見抜けるぞ……。エレナだって、来るときにわかったろう?

エレナ
 「ぜんぜんわからなかったですぅ……。

ルウ
 「…………。

デューク
 「さーて、あいさつはここまでだ。本題に入らせてもらおうか。
  おまえが持ってるキューブと
  ファンシー・メルから受け取った情報を、おとなしくよこしな!
  イヤだと言ってもムダだからな。力ずくでうばい取ってやるぜ!

ルウ
 「そんなヘンな着ぐるみでなにを言っても迫力がないぞ。
  そっちこそ、この前盗んだティアラを返してくれ。

デューク
 「ヘンだって? まだまだ甘いな、ルウ。この俺を誰だか忘れたか?
 『なりきり』のデューク様だぜっ!

ルウ
 「……もしかしてその星になりきってるのか?

デューク
 「その通りっっっ!!

 「たとえるなら、今の俺は夜空を駈けるひとすじの流れ星!

 「見よっ!!

エレナ
 「わ〜、キレイですね〜♪

デューク
 「必殺! 流星逆落とし!!


ルウ
 「エレナ、下がって!

デューク
 「わはははははははっ! どうだっ!
  これがスターライト・デュークの実力だっ! 行くぜっ!!

デュークとバトル!
光るぜ回るぜ輝くぜっ!!

すたーっ!


デューク
 「ぬうっ、俺としたことが……ぬかったぜ。まさに……巨星墜つ!

ルウ
 「あきらめてティアラを返してくれ。

デューク
 「これで終わったと思うなよ、ルウ!
  おまえは俺の永遠のライバルだからなッ!

ルウ
 「永遠のライバル? そうじゃなくてティアラを……。

デューク
 「今日のところは引いてやるぜ、ルウ!
  だが次こそは、最強の『なりきり』でかならずおまえを倒してやるぜ!
  首を洗って待ってろよ! さらばだっ!!
遥か彼方へすっ飛んでいく


ルウ
 「あいつも人間じゃないな……。

エレナ
 「デュークさんってゆかいなお星さまですね〜。
 

≪東天王国≫

魔導士
 「サイコマスターか。

 「どうした。

サイコマスター
 「ヴァレンの【遺産】に接触を試みる者が現われました。

魔導士
 「そうか……で、何者だ? 冒険者か? 盗掘師か? それとも愚かな魔術師か?

サイコマスター
 「それが……。

魔導士
 「ほう……やつか。

 「ふっ……くっくっくっくっく……。

 「よもや、あれが自らの意志で【遺産】に手を伸ばそうとはな!!

 「サイコマスター……。抜かりのないおまえのことだ。すでに手を打ったろうな?

サイコマスター
 「さきほど、あのふたりを発たせました。明朝にはカローナの街に到着するかと。

魔導士
 「よろしい。しばらくは手を出さず監視だけにとどめるよう伝えよ。
  それと……もうひとつ。この件、まだマヤ殿下には伏せておけ。

サイコマスター
 「承知しております。しかるべき時来たるまでは、沈黙を。

魔導士
 「いよいよだな……。

 「今度こそ、使命を果たさねばならん。

 「やがて私は地獄への扉を開く。
  おまえたち3人にも修羅の道を歩いてもらわねばならん。

サイコマスター
 「われらには修羅の道こそふさわしゅうございます。

 「生まれ落ちたその日より、われらは常に戦いの場に身を置いてきました。
  われらはすでに修羅なのです。
  どれほど危険な任務であろうとも必ずや成しとげてごらんに入れます。
  ドールマスター様のご命令とあらばたとえ地獄の底であろうとも。
  それがわれらの使命です。

ドールマスター
 「………………。期待している。
 

≪カローナの街≫

噴水広場
マルコ
 「ねえねえ、知ってる? ゴロツキ兄弟が、宿屋でドロボウしようとして……。
  ソーリンさんにボコボコにされたんだ!

 「もうすぐごはんの時間だけどまだ遊んでよっと。


酒場
アリーネ
 「いらっしゃい! ゆっくりしてってね♪

 「グレアムさんって、昔は冒険者だったらしいわ。
  おもしろい話を、いっぱい聞いちゃった♪

 「この前、マーカムさんがお店に来てね……。
  なんと! 1000Gもするワインをポンと注文したのよ!

 「さあ、仕事しないと。
 

戻る メニュー 次へ