BACK MENU NEXT


≪港町ポルポタ≫

水上レストラン「海の幸」
ギルバート
「キミは! リュミヌー・・・・

エレ
「????
 私はエレ。リュミヌーは私の友達だけど・・あなたは誰?

ギルバート
「すまない・・僕は愛の詩人、ギルバート。人違いだった・・・・
 ああ、だけど待って!
 そのしなやかな身体、深い瞳、フルーツのように瑞々しいくちびる・・
 ああ、ボクは何千年も前からキミのことを知っていた。
 ボクに愛を届けに来たんだね?

エレ
「・・・・・・・・・・・・
 違うと思う・・・・

ギルバート
「うふふふ。愛なんて最初はみんなそう思うものなのさ。
 だけどいつか、みんな、愛に気付かずにはいられないんだ!
 ねぇ、そうだろう? 愛がボクらを幸せにする。いつもそこには愛がある。

エレ
「さよなら。
立ち去る

ギルバート
「さよならは明日の始まり〜
 愛の夜、愛の詩を書いて、心につづる歴史の始まり〜
 愛の海へ、こぎ出そ〜お〜
 うなる風、つかまえ〜て〜 二人、心のドアを開け〜
 愛の海図にゆだねよお〜
 ら〜 らららら〜〜〜〜 う〜 やややや〜〜〜

「ギルバート・愛の航海」
ギルバート
「今ボクは、エレとボク、二人の歌を作っているんだ!
 歌ができたら届に行くよ! 道は風が知っているさ!!
  ああ、このときめき! ときめきのためにボクは生まれたんだ!!
 

≪マドラ海岸≫

鳥カゴ灯台(3)
フラメシュ
「ねぇ、外ではもう歌わないの?

エレ
「うん。だって、歌うと船が沈むんですもの。

フラメシュ
「沈んでいいわよ、船なんて。
 私みたいに泳げばいいのよ。空を飛べばいいのよ。
 陸の上で好き勝手にやってる人間たちに、海の上まで荒らされちゃってさ。
 船が沈んだら、最初から海に住んでた、
 マーメイドやセイレーンのせいにされるの。
 バッカみたい。

エレ
「そうなんだけどさ・・・・。

フラメシュ
「人間達が船を浮かべてからよ。それまでは、そんなことなかったじゃない。

エレ
「そうなんだけど・・・・

フラメシュ
「ハイ、ハイ、あなたは何を言っても『そうなんだけど』です!


エレ
「ごめんなさい・・・・

フラメシュ
「あ〜あ、何謝ってんだろ。バッカみたい。


ギルバートの声
「おお!! 海はエメラルド!!

フラメシュ
「???

ギルバートの声
「聞こえて来るよ、波の音。深い眠りへと誘うような、繰り返す、その音・・・・
 ボクはこの手から、リュートを捨てて、あなたの愛に沈みましょう。
 おお、風よ、風! 鳥の声を届けてくれるなら、心に一つ、音楽を刻もう。


エレ
「ギルバート・・・・?

フラメシュ
「ナニ、それ?

エレ
「愛の詩人ギルバート。リュミヌーのモトカレ・・・・
 本当に来ちゃったんだ・・・・


フラメシュ
「・・・・・・・・・・
 あなた歌わなくったって、充分ヘンなモン引き寄せてんじゃん。
 難破と歌も関係ないよ、きっと。


鳥カゴ灯台(1)
ギルバート
「ボクはエレのことを愛してしまったんだ〜
 いつまでもここで彼女を待っているよ〜


鳥カゴ灯台(3)
エレ
「ところでさ 外にね、出てみようと思うの。ついていってもいいかしら・・・・
「はい
エレ
「本当に!? ありがとう!
 さあ、行きましょう!!
「いいえ
エレ
「そうね。足手まといになると
 いけないものね・・・・
 じゃあ、しばらくは
 ここで歌って過ごします。


鳥カゴ灯台(1)
ギルバート
「やぁ、エレ! 来てくれたんだね!

エレ
「あー、私はその、そうじゃなくて・・・・何て言うのかなぁ・・・・

ギルバート
「自分の気持ちが、わからないんだね〜 エレ それは愛の始まりなのさ〜

チャボと顔を見合わせる
エレ
「いや、それは多分、違うと思う

フラメシュ
「多分なんて言ってないで、ハッキリ断わンなさいよ!
 アンタなんか嫌いッ! って!

ギルバート
「ああん、マーメイドのキミ〜 キミもエレに、負けず劣らず美しい〜!
 ボクがこの世に二人いたら、
 もう一人はキミの虜になっていたかも知れない!
 だけど今のボクにはエレしかいないんだ〜

フラメシュ
「うげ〜 気味悪ィ〜〜 さよなら〜!
 エレ! こんなヤツと付きあったら絶交だからね!
姿を消す

エレ
「フラメシュ! んもう! そんな言い方することないじゃないのよ〜
 リュミヌ〜の立場はどうなるのよ〜

ギルバート
「ありがとう、エレ。キミは優しいんだね。
エレに走り寄る
エレ
「うわっ!!

ギルバート
「ホラ、水平線を見てごらん。船が見えるだろう?

ギルバートから離れつつ
エレ
「え・・・・? 船? どこかしら〜 私には見えないなぁ〜

ギルバート
「あの船がボクたちさ・・・・この海にくらべたら、果てしなく小さい・・
 さぁ、行こう、エレ・・・・・・

更に距離をとる
エレ
「え???? 行く? 行くって、どこへ?

エレに走り寄る
ギルバート
「さぁ、ボクの背にお乗りよ! 水平線遠く浮かぶあの船まで!
 つかまって! ハニ〜!

連れ去られる
エレ
「ひゃいいいいいいいっ!

エレを仲間にせずに出て来る
ギルバート
「ボクはエレのことを愛してしまったんだ〜
 いつまでもここで彼女を待っているよ〜
 

≪海賊船バルド≫

船尾楼甲板
ギルバート
「ああ、キミの美しい声! 二人で愛のハーモニーを奏でよう!!

エレ
「・・・・・・・・・・あの、ありがとう、ギルバートさん・・・・
 でも、私、ダメなんです。歌えないんです。

ギルバート
「悲しいことを言わないで、エレ・・・・
 キミはセイレーンじゃないか〜
 歌を歌わなくなったら、美しい羽はしおれてしまうんだろう?

エレ
「ええ、よくご存知ですね。
 でも、私が歌ったりしたら、本当に船は沈んでしまうわ。

ギルバート
「・・・・・・・・・・・・・・それでいいのかい?

エレ
「良くも悪くも、これが私です・・・・・・


ギルバート
「歌を歌わないセイレーンなんて〜 せつなすぎるよ〜


エレ
「船を沈めるのはイヤよ。


操舵室
ラムティーガー
「オッ レッ たッ ちゃ〜 う〜み〜の〜 オトコ〜!

 カシラ、今日はヘンな客を乗せてんだよね〜 わからないね〜


船長室
海賊ペンギン
「カシラ・・・・・・

バーンズ
「どうした、ペンギン。

海賊ペンギン
「あんな、用心棒にもならねぇようなヤツを、
 なんで船に乗せるんでやんすか?
 まさか、海の男とあろう者が
 げーじつに目覚めたってワケじゃあ、ありませんよねぇ?

バーンズ
「いいか、ペンギン、よーく聞いておけ。
 俺様にゃあ、げーじつはわからねぇが、モノの値打ちはわかるつもりよ。
 ヤツらはげーじつ的だぜ。
 クルっとシバって都会の富豪にでも差し出しゃあ、金になる。
 すべては手配済みだ。頃合いを見計らって、コトは進められるテハズだ。

海賊ペンギン
「ひゃああああ!!! カシラもワルでやんすねぇ!

バーンズ
「いいか、ペンギン、よーく聞いておけ。
 人の道をまっすぐ歩むだけじゃぁ海賊は勤まらねぇ。
 海賊の胸の中には、悪のラッコと正義のラッコがいるってことよ。

海賊ペンギン
「ラッコでやんすか!?

バーンズ
「おうよ!
 今、俺の胸の中で、悪のラッコが、笑いながら貝を打ち鳴らしてやがるぜ!

海賊ペンギン
「・・・・・・・・カシラ 涙が出てきたでやんす。


バーンズ
「とりこみ中だ。おとなしくしててくれ。


船尾楼甲板
ギルバート
「何をするんだ、キミ達!! この縄をほどきたまえ!!

エレ
「ギルバートさんっ!!

海賊ペンギン
「チッ!! セイレーンの方は取り逃がしたでやんす!!

ギルバート
「ああ、愛の詩人・ギルバートは、海賊の手にかかり・・・・
 クッ・・・・・・・・

エレ
「やめて! ペンギンさんたち!! どうしちゃったの!?

海賊ペンギン
「ケッケッケッケッケ!! あっしら、こう見えても、海賊でやんす!!

海賊ペンギン
「やる時はやるでやんす!!

エレ
「・・・・・・・・・・

ギルバート
「詩人は一人で〜 青い海で〜 散って行きます〜・・・・


エレ
「はるがー おわるときのー

船のあちこちで爆発が起こる!!

ペンギン衆
「!!!!!

ギルバート
「エレ!!

エレ
「そらのー いーろーはー
 あおにー すこしたりないー うすいー みーずーいーろー

船が大きく揺れる!!

エレ
「かぜにー とばされたー しろいー わたーげーがー
 つちをー ふめずにー さまよーってー ますー

さらに大きく揺れる!!

海賊ペンギン
「てえへんでやんす!! 左舷後方、船底に穴が!!

エレ
「はるのはなー だれかにー とどけーたーくてー
 はなはー ちいさなわたげにー なりましたー

海賊ペンギン
「オキノテズルモズルだ!! ペンギン第四小隊は右舷デッキへ急げ!!

エレ
「はなはー さきますー あなたのーてもーとーでー
 ただー すこしだけー あいをー くーだーさーいー

海賊ペンギン
「ダメだ!!! シュリーゲルが来やがった!! 終わりでやんす!!
 このままじゃ沈むでやんす!! チャボ先生!! 助けてやってくだせい!


船尾上甲板(1)
シュリーゲルとバトル!


昇降口(1)
海賊ペンギン
「カシラ! コイツでやんす!!
 コイツが歌を歌って船を沈めようとしたでやんす!!

ギルバート
「エレ! どうして逃げないんだい! 殺されちゃう!!

エレ
「逃げたってしょうがないもの。
 私が逃げてもギルバートさんが殺されるだけよ。
 私が悪いんだわ。好きなようにすればいいわ。

海賊ペンギン
「カクゴできてんじゃねーかー よーよーよー!! しばいちまうぜ!!

バーンズ
「よさねぇか、ペンギン!! てめぇには海の男の魂がねぇのか!!

ギルバート
「・・・・・・・・・・・・・・

バーンズ
「こうして素直に自分の行いを悔いている者に、
 どうして危害を加えられようかッ!?

海賊ペンギン
「何を言ってるでやんすか!!
 コイツの歌であっしら、えれぇ目にあったでやんすよ!!

エレ
「ごめんなさい・・・・ちょっと脅かしてやろうと思っただけなのに・・・・
 また犠牲者を出しちゃうところだったわ・・・・・・

バーンズ
「お嬢さん、アンタみてぇな優しい人が、そんなに自分を責めちゃいけねぇ。
 たかが歌で、船が沈むもんか。アンタの言い分は思い込みだ。
 アンタは何も悪くねぇ。

海賊ペンギン
「沈みかけたでやんす!!

バーンズ
「なぁ、ペンギン衆、頭ン中のピーナッツバターこねまわして、よーく考えろ。
 この船の重さは軽く3000ドゥ・インクくれぇはある。
 そいつが沈まねぇで、海に浮いてるのはどうしてだ?

海賊ペンギン
「そりゃぁ・・・・・・あっしらにはとんと・・・・・・

バーンズ
「気力よ。男の気力で浮いてンだよ。
 特に俺様の気力が100で、おめぇ達の気力は1くれぇだ。
 俺様の気力で浮いてる船が、
 歌くれぇで沈むなど、本気で思ってやがンのか?

海賊ペンギン
「・・・・・・・・・・・・

バーンズ
「お嬢さん、ウソじゃねぇぜ。ウソだと思うなら試してみな。


エレ
「ダメよ・・・・・・・・沈んじゃうわ・・・・・・

バーンズ
「かまやしねぇ!! ここにいるのはペンギンとセイレーンのアンタ、
 それにオレ様は、セイウチだか、オットセイだか、まぁ、なんか海獣だ。
 船が沈んだところでなんてこたぁねぇ!

海賊ペンギン
「ウマが一頭いるでやんす。

エレ
「だって・・・・私・・・・

バーンズ
「さあ、歌いな。心の底から、さあ!

ギルバート
「ウマじゃないよ〜ん

エレ
「はるがー おわるときのー

爆発&大波が起こる!!

海賊ペンギン
「やっぱり来たでやんす!

バーンズ
「ガタガタするんじゃねぇ!

エレ
「そらのー いーろーはー
 あおにー すこしたりないー うすいー みーずーいーろー

海賊ペンギン
「左舷後方、船底崩壊!!

バーンズ
「いつものことじゃねぇか! さっさと修理しろい!!

エレ
「かぜにー とばされたー しろいー わたーげーがー
 つちをー ふめずにー さまよーってー ますー

海賊ペンギン
「右舷!! 高波でやんす!!

バーンズ
「波が怖くて海に出れるか!

エレ
「はるのはなー だれかにー とどけーたーくてー
 はなはー ちいさなわたげにー なりましたー

海賊ペンギン
「第三艦橋大破!! マジやばいでやんす!!

バーンズ
「かまやしねぇぜ!! オマエらキモが小せぇぜ!

エレ
「はなはー さきますー あなたのーてもーとーでー
 ただー すこしだけー あいをー くーだーさーいー

爆発が止む・・・・

海賊ペンギン
「・・・・・・・・・・・・

ギルバート
「・・・・・・・・・・・・

エレ
「・・・・・・・・・・・・

海賊ペンギン
「沈んでないでやんす・・・・

バーンズ
「本物の男の船はなぁ、沈んだりしねぇんだよ。


ギルバート
「素晴らしいよ! エレ! もう何も気に病むことなんてないんだね〜
 あ〜 あ〜 このう〜な〜ば〜ら〜に〜
 あいの〜 ほをひろ〜げ〜て〜


バーンズ
「ソイツは海に沈めておけ。

海賊ペンギン
「がってんショウチでやんす!

バーンズ立ち去る、ペンギン衆ギルバートに詰め寄る

ギルバート
「いやぁ〜〜ん!!

「ギルバート・愛の航海」


おわり
 

≪マイホーム≫

寝室
サボテン君
「わたげちゃん、飛ぶの。
 

BACK MENU NEXT