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つばさをひろげて



≪カローナの街≫

噴水広場
マルコ
 「ホテルのほうで、すごい音がしたんだ。誰かがケンカしてるのかな?

 「マヤって人の赤い髪どこかで見たような……。


ホテル
???
 「とりゃー!!

???
 「甘いですわっ!


ルウ
 「なんだろう?


マヤの部屋
ミント
 「ううう……。

マヤ
 「甘いですわね、お姉さま。
  お姉さまの跳び蹴りなんてとっくに見切りましたわ♪

ミント
 「おのれ……ナマイキな!!

マヤ
 「お姉さまには負けませんわ! ほ〜っほっほっほっほっほ!


ルウ
 「君たち……なにやってるんだ?

マヤ
 「あ……これは……その……。


マヤ
 「ようこそいらっしゃいましたね、ルウ。今日はとても良い天気ですね♪

ミント
 「いきなりコロっと態度を変えるなあ!

マヤ
 「だって、ガサツなお姉さまといっしょにされたらイヤですもの!

ルウ
 「ちょっと待った! 今『お姉さま』って言わなかったか!?

 「まさか……君たちって……。

ミント
 「そーよ。あたしたち、姉妹なの。

ルウ
 「ええっ!?


ミント
 「なんでそんなに驚くわけ? あたしたち、そっくりじゃない。

ルウ
 「そうかな……。

マヤ
 「お姉さまにそっくり!? わたくしが!? じょ、冗談ではありませんわ!

ミント
 「なぬ!? どーいう意味よ!

マヤ
 「どうもこうもありませんっ!
 『そっくり』なんて言葉は今すぐ取り消して下さい!
  でないと、ブックのカドでブン殴りますわよ!!

ミント
 「なぬ〜!?

ルウ
 (やっぱり似てるかも……。

ミント
 「マヤ! ナマイキにあんたに愛のおしおきをしてあげるわ!

マヤ
 「それはこっちのセリフですわ! 今日こそ決着をつけましょう!

ミントとマヤがバトル!


ミント
 「マヤ……しばらく会わないうちにナイスなパンチを身につけたわね……。

マヤ
 「お姉さまこそ、一段とキレのあるキックですわ……。

ルウ
 「ふたりとも、どうしてケンカなんか?

ミント
 「マヤのやつが悪いのよ。
  あたしが頭を下げて頼んでるのにぜんぜん言うこと聞かないのよ!
  ブックの魔力で、ヴァレンの聖域に飛ばしてもらおうと思ったのにさ!

マヤ
 「できないものはできません!
  ブックの魔力は、ドールマスターに吸収されてしまったのです!
  今のブック・オブ・コスモスはただの書物にすぎませんわ……。

ミント
 「そこをなんとかするのがあんたの仕事でしょーが!
  つべこべ言わずに、あたしをヴァレンの聖域まで送ってちょーだい!

マヤ
 「無理難題はおよしになってください!
  まったく、姉さまはどうしてこんなにワガママで強引なのでしょう……。
  こんな方がわたくしの姉だなんてきっとなにかの間違いですわ!

ミント
 「なぬ〜!?

ルウ
 (巻きこまれないうちに逃げたほうがよさそうだ……。


ホテル
リーソン
 「またのご利用をお待ちしております。


クラウスの店
ミラ
 「行ってらっしゃい、ルウ君。
  見ればわかるわよ。あの空の城に行くつもりでしょう。
  がんばってね。かならず無事に帰ってくるのよ。
  ルウ君のぶんも、ごはんをつくって待ってるわ。

 「エレナも心配してるわ……。あの子を、これ以上悲しませないでね。

 「今さらわたしが言わなくてもわかっていると思うけれど……。
  空の城に行く前に、いろいろ準備をすませておきなさい。
  あとで後悔するのはいやでしょう?

 「応援してるわ、ルウ君。悔いの残らないようにがんばってらっしゃい!


店の地下
クラウス
 「やあ、ルウ君。

 「いろいろ大変なことが起こったようだね。

ルウ
 「はい……なにから話せばいいか……。

クラウス
 「いや、聞かないでおくよ。話したくないこともあるだろう。

ルウ
 「……すみません。

クラウス
 「空に浮かんだ城を見たかい?
  やはりあそこにはヴァレンの【遺産】があるのかな。

ルウ
 「そのはずです。

クラウス
 「ふむ……なるほど。

 「ずっと【遺産】をさがして研究してきたが
  いざ目の前に現われると、おそろしいね。
  私は魔法については素人だが、
  あれがすごい魔力を持っていることはわかる。
  見上げるだけで、背筋が寒くなるよ。

 「もし私が【遺産】を手に入れてもとても使いこなせないだろう。

ルウ
 「…………。

クラウス
 「でも、ルウ君は違う。

 「ルウ君なら【遺産】を使いこなせるよ。君にはその強さがある。
 【遺産】を手に入れて、願いをかなえるんだ。

ルウ
 「僕に、そんな強さがあるんでしょうか……。

クラウス
 「あるさ。私が保証するよ。ルウ君の目を見ればわかる。

ルウ
 「目、ですか?

クラウス
 「君の目は、ずいぶん変わったよ。
  初めて会った時の君は、ひどく真剣でまっすぐな目をしていたよ。
  あまりに純粋すぎて心配になるほどだった。
  純粋すぎる人は傷つきやすいものだからね。

ルウ
 「…………。

クラウス
 「でも、今は違う。
  今の君の目には、迷いや悩みや悲しみや
  たくさんの思いが渦巻いているね。
  それは大事なことだよ。若いうちはいろんなことに迷うべきなんだ。
  たくさんの迷いをかかえて苦しめば苦しみに鍛えられて強くなれるさ。

 「【遺産】をめぐる冒険で、ルウ君はたくさん苦しみ、
  そのぶん強くなったんだ。
  だいじょうぶだよ、おそれずに行きたまえ。
  もちろん、行きたくなければ、それでいい。
  行くか行かないかを決めるのは、ルウ君だ。

ルウ
 「いいえ……行きます。そう決めたんです。

クラウス
 「そう言うと思ったよ。行きたまえ、ルウ君。応援しているよ。


クラウス
 「行きたまえ、ルウ君。応援しているよ。

 「くれぐれも気をつけてくれたまえ。

 「プリマドール君を、よろしく頼むよ。

 「いい目をするようになった……。
  君ならば、きっとだいじょうぶだ。だが……気をつけてくれたまえ。

 「ミント君は、まだ空を飛ぶ方法を見つけていないらしい。


酒場
ベル
 「おや、ルウじゃないか。

デューク
 「どうだ、一杯やっていかないか。


デューク
 「なにっ!? ドラゴンの翼を!? すげえな、ルウ!!
  ドラゴンに助けてもらうなんて本に出てくる竜騎士みたいだぜ。

ベル
 「おとなしそうな顔なのにたいしたもんだよ、おまえってやつは。

ルウ
 「僕の実力じゃない。みんなが協力してくれたからできたことなんだ。
  みんなの力がなかったらなにもできなかったと思う。

デューク
 「なんだよ、ずいぶんつつましいな。

ベル
 「そこがルウのいいところだよ。すぐ調子に乗る誰かさんとは大違いだね。

デューク
 「すぐ調子に乗る? ミントのことですかい?

ベル
 「なに言ってんだい! あんたのことだよ!

デューク
 「ええっ! そりゃないですぜ、あねさん!

 「とはいえ……うかうかしていられないぜ。
  本気で修行しないとおまえに追いつけなくなりそうだ。

ルウ
 「僕に追いつくって?

デューク
 「決まってるだろ! おまえは、わが永遠のライバルなんだ。
  いつかかならず、決着をつけるからな!

ベル
 「勝つ自信はあるのかい?

デューク
 「俺には『なりきり』があります!
  今のルウになりきれば勝てるかもしれませんぜ!

ベル
 「………どうしようもないね。

 「すっかり話がそれちまったよ。
  ルウ、おまえはもうすぐ【遺産】を取りに行くんだろ。

ルウ
 「うん、そして……。

ベル
 「クレアって人を助けるわけだね。

デューク
 「何度聞いても、ホロリとくる話だぜ!

ベル
 「うまくやるんだよ、ルウ。しくじったら許さないからね。

ルウ
 「だいじょうぶ。かならずクレアを救うよ。

ベル
 「そうかい……しっかりやるんだよ。


ベル&デューク
 「がんばりな、ルウ。
 「がんばれよ、ルウ!


ルウ
 「ふたりとも、ありがとう。

 「行ってくるよ。クレアを助けに!


アリーネ
 「街から逃げようと思ったけど逃げるあてもないのよね。
  ジタバタするのはやめてきちんと働くことにするわ。だって……。
  忙しく働いて、気をまぎらわせないと不安になっちゃうもの……。

 「ミントちゃんも、空の城に行きたがってるみたいよ。
  でも、空を飛ぶ方法がわからなくて困ってるみたいよ。


船着き場
デービス
 「あの空の城は、都からも見えるのだろうか?
  もし見えていれば、今ごろ大騒ぎだな。
  物好きな連中が見物に来るかもしれん。

 「俺はこの街の静けさが気に入っていたんだが……。
  まさかこんな大事件に巻きこまれるなんて夢にも思っていなかった。
 

≪メルのアトリエ≫

メル
 「どうしたの、ルウ。今ごろ、わたしになんの用かしら。
  ウィーラーフに会って、彼の翼を手に入れたのでしょう?

ルウ
 「……はい。

メル
 「だったら、もう迷うことはないわ。
  ヴァレンの聖域をめざしてはばたくだけよ。
  それとも……。まだ心に迷いがあるのかしら?
迷いはない 迷っている
ルウ
 「だいじょうぶです。迷いなんてありません。
  ヴァレンの聖域でデュープリズムを手に入れ
  そして……クレアを救う。それしかないんです。

メル
 「…………。

 「ボン!

ルウ
 「うわあ!?

メル
 「あはは♪ おどろいた?

ルウ
 「な、なにするんですか!?

メル
 「怒らない怒らない。ちょっとからかってみただけよ♪

 「肩に力が入りすぎよ、ルウ。

ルウ
 「え?

メル
 「きみの肩には世界の運命がかかっているかもしれないわ。
  ヴァレンとデュープリズムがこの世に解き放たれたとき
  いったいなにが起こるのか……。わたしにもわからないもの。
  きみは、そんな恐ろしい存在に手を出そうとしているのよ。

ルウ
 「…………。

メル
 「でもね、ルウ。たとえ世界の運命を
  背負ってても、肩に力を入れすぎてはダメ。
  無理に気ばっていたら、うまくいくこともしくじってしまうわ。
  肩の力を抜いて、もっと気楽に行きなさい。
  ここまで来たら、悩んでもしかたないのよ。
  自分の力を信じて、ひたすら前に進み
  そして……ちゃんとクレアさんを救うこと!
  約束できるわね?

約束する
ルウ
 「はい……約束します。

メル
 「いい答えよ、ルウ。
  自分の力を信じて進みなさい。
  でも、この約束をやぶったら
  一生わたしのアトリエで
  そうじ当番ですからね。

ルウ
 「ええっ!? そ、そんな……。

メル
 「行ってらっしゃい、ルウ。
  この約束、守ってちょうだいね。
  きみの力、信じてるわ。
約束できない
ルウ
 「約束……。

メル
 「どうしたの?

メル
 「行ってらっしゃい、ルウ。きみの力、信じてるわ。

 「わたしに言えることは、もうなにもないわ。あとはきみが決めるのよ。

 「おそれることなどないわ。
  きみは、どこへでも行ける自由な翼を持っているのよ。
 

≪崖≫

ルウ
 「ヴァレンの聖域……。なにもかも、あそこにあるんだ。
  僕の過去も……未来も。

???
 「ルウさ〜ん!

ルウ
 「エレナ……。

エレナ
 「よかったです〜。まにあいました♪

ルウ
 「どうしたんだい?

エレナ
 「あの……どうしてもルウさんに言いたいことがあるんです。


エレナ
 「ルウさんっ!

 「今日の晩ごはんは、カボチャの煮物ですっ♪

ルウ
 「……え?

エレナ
 「わたし、がんばってお料理しますからぜったい帰ってきてくださいね!
  ぜったいですよっ!

ルウ
 「エレナ……。

 「晩ごはん、楽しみにしてるよ。……かならず帰ってくる。約束するよ。

エレナ
 「気をつけてくださいね♪


ルウ
 「ウィーラーフ……僕に翼を貸してくれ!


エレナ
 「きゃあっ!?

 「ひゃ〜、スゴイ風!? 飛ばされそうです〜。

???
 「待て待て待て〜っ!!

ルウ
 「ミント!?

ミント
 「こらぁ、ルウっ!! あんた、デュープリズムをひとりじめする気でしょ!
  そーはさせないからね! あたしも連れていきなさいっ!

ルウ
 「えっ!?

ミント
 「文句ないわね? よしっ、決まり! あたしもついていくからね!

 「とうっ!

 「んげ!?

ルウ
 「ごめん、ミント。これは僕の戦いなんだ。君を巻きこむことはできないよ。

ミント
 「ううう……。

ルウ
 「行ってくるよ、エレナ。

エレナ
 「行ってらっしゃ〜い♪
 

≪ヴァレンの聖域≫

入口
ルウ
 「あれは……!

 「プリマドール!

プリマドール
 「ルウ……きてくれたんだね……。

ルウ
 「よかった……無事だったんだね。

 (体が冷たい!?

プリマドール
 「へへ……ボク、エネルギーが切れちゃったみたいなんだ……。
  なんだか、ねむいよ……。

ルウ
 「プリマ……。

プリマドール
 「ルウ……ごめんよ。

ルウ
 「え?

プリマドール
 「ボク……ドールマスターにおどかされて
  湖水の遺跡の封印を解いちゃったよ……。
  ほんとは、あいつの命令なんかききたくなかったけど、
  さからったらカローナの街をこわすって言うから……。

ルウ
 「もういいよ、プリマドール。悪いのはドールマスターだ。君のせいじゃない。
  もうしゃべらなくていいからゆっくり休むんだ。

プリマドール
 「うん……そうする。

ルウ
 「少しだけ待っていてくれ。
  ドールマスターを倒し、デュープリズムを手に入れて、すぐにもどってくるから。
  なにもかも終わったらいっしょに街に帰ろう。

プリマドール
 「ふしぎだなあ……。

 「なんだか、ルウのふんいきがかわった気がするよ。
  前は、ちょっとたよりないかんじだったけど、
  今のルウはすごく強そうに見えるよ。

ルウ
 「そうかな……。

プリマドール
 「今のルウなら、きっとなんでもできるよね……。
  どんなことが起こってもだいじょうぶだよね……。

ルウ
 「…………。約束するよ。

プリマドール
 「ヘへっ、よかった……。ボク、安心してねむれるよ。

ルウ
 「プリマドール!?

プリマドール
 「はやく帰ってきてね、ルウ。ボク……待ってるから……。

  おやすみ……。


ルウ
 「キューブにもどったのか……。

 「かならず助けるよ。少しだけ……ほんの少しだけ待っててくれ。


聖域内部
ルウ
 「あれ?

 「ふたつだけ火がついてる……。なんの意味があるんだろう?


右の部屋
 風は小さき炎を助く


左の部屋
 小さき炎は緑に宿る


二つ隣の部屋
 四つの色が扉を開く


広間
サイコマスター
 「お待ちしておりました。

ルウ
 「ドールマスターは……いないのか。

サイコマスター
 「ヴァレンが眠る地へ向かっております。
  進撃は不可能です。
  わが主は、すでに絶叫の回廊を越えてゆかれましたので。

ルウ
 「絶叫の回廊……。

サイコマスター
 「ヴァレンが残した最後の関門です。
  通ろうとする者の記憶に眠る恐怖がよみがえって襲いかかる精神のわな。
  みだりに立ち入れば、恐怖の記憶に精神を食いつくされ、死に至ります。
  わが主以外に、あの回廊を越えうる者はありません……そう、あなたも。

ルウ
 「でも……僕は行く。

 「僕はそのために来たんだ。邪魔する者はみんな倒して……僕は行く。

 「どいてくれ。

サイコマスター
 「そうはまいりません。
  わが主より、あなたを絶叫の回廊に入れるなと命じられておりますので。
  私の命に代えても、あなたを阻止いたします。

ルウ
 「!?

サイコマスター
 「進ませはしません。逃がしもしません。
  全力を持ってあなたを止めます。たとえこの身が砕けようとも。

ルウ
 「それは……おまえの使命なのか?

サイコマスター
 「使命が半分、恩義が半分とでももうしましょうか。
  わが主は、私に多大なる恩恵をほどこしてくださいました。
  その恩にこたえるのは理の当然。

 「使命を与えられたなら、私は感情を捨て無慈悲な修羅となるでしょう。

 「恩義のために使命を果たし使命のために修羅となる。

 「それこそが私の道です。

ルウ
 「この力は……!?

サイコマスター
 「あなたは、仮にもわが主の弟。
  ならば、私も全力をもって挑むのが礼儀というものです。
  私の全能力を解き放ち最大の力で迎え撃ちましょう。

 「では……まいります。

サイコマスターとバトル!
あなたの命運、封じさせていただきます


サイコマスター
 「くっ……私の力が破られるとは……。

ルウ
 「僕の勝ちだ……通してもらう。

サイコマスター
 「かしこまりました。私には、あなたを止める力はないようです。

 「この先へ……絶叫の回廊へとお進みください。

 「ですが……。

 「その前に!!


サイコマスター
 「見事です。さすが、わが主の弟……。

ルウ
 「わざと斬られたのか!? なぜ!!


ルウ
 「サイコマスター……。


絶叫の回廊
ルウ
 「これが、絶叫の回廊……。

 「『過去の恐怖がよみがえる』とサイコマスターは言ってたな。
  いったい、なにが起こるんだろう?


ヴァレンの間入口
ドールマスター
 「最後の封印は解かれた……。
  あとは、この門の向こうで眠るヴァレンを目覚めさせるだけだ……。


ドールマスター
 「これで……私の使命も終わりか。

???
 「ドールマスター!!

ドールマスター
 「ルウか……。

 「サイコマスターを倒したか。使命を忘れたとはいえさすが、わが弟。

ルウ
 「……僕を弟と呼ぶな。

ドールマスター
 「ルウよ……真実を受け入れるのだ。
  われらは、ヴァレンの眠りを終わらせる使命をおびた人形の兄弟。
  おまえも私も、そのためにつくられた。それは変えられない宿命なのだ。
  ならば人形は人形らしく、与えられた使命に生きるしかないではないか。
  それが人形として生まれた者の宿命だ。

 「そう……。生まれる前に決められた真実の使命であり
  逃れることなどできない永遠の宿命だ。

ルウ
 「…………。

ドールマスター
 「今からでも遅くはない。考え直して剣を捨てるのだ、ルウ!
  この輝ける門を抜けて
  ヴァレンとデュープリズムが眠るその場所へ、ともにゆこう。
  ヴァレンの眠りを終わらせるのだ。
  それが、われら人形の使命であり宿命であり……真実だ。

ルウ
 「僕の真実は、違う。

ドールマスター
 「なんだと。

ルウ
 「僕がヴァレンの人形だとしてもヴァレンの復活なんて関係ない。
  僕はクレアを助けたかったから戦ってきた……戦ってこれた。
  だから僕はここにいる。人形の使命のためじゃない。
  みんなクレアのためなんだ。それが僕の真実だ。

 「そして、おまえはクレアを……!

ドールマスター
 「あれは事故だ。殺すつもりはなかった。しかしおまえの気持ちもわかる。

 「だからこそ言おう……私とともに来い。
  そうすれば、私がデュープリズムでクレアを復活させて……。

ルウ
 「やめてくれ。

 「わかってない。おまえは僕の気持ちなんて全然わかってない。
  クレアが無事によみがえっても
  3年前に彼女を殺したおまえのことは……許せないんだ……。

 「話は終わりだ、ドールマスター。
  おまえの使命なんて関係ないしおまえの助けも借りはしない。
  おまえを倒して、クレアを取りもどす。
  僕の答えは……真実は、それだけなんだ。

ドールマスター
 「そうか……。残念だ。残念だよ、ルウ。


ドールマスター
 「よかろう! もはや語らぬ。ルウ……決着をつけよう。


ルウ
 (ドールマスターは僕の力を封じる呪文を知ってる……。
  あれを使われたら勝ち目はない!

ドールマスター
 「小細工は使わんよ。わが忌まわしき『手』によってすべてを終わらせる。

ルウ
 「それは……あの時の!

ドールマスター
 「われらの最後の戦いにもっともふさわしい姿。
  この姿に……あの女を殺したもうひとりの私に、
  おまえの憎しみをぶつけるがいい、ルウ!

ドールマスターとバトル!
ルウ……決着をつけよう


ドールマスター
 「ええい! これしきの痛みなど……。

 「まだだ……まだ倒れるわけにはゆかぬ!
  私には果たすべき使命があるのだ!

 「まだ……終わらん。

ルウ
 「やめよう、ドールマスター。おまえはもう僕には勝てない。

ドールマスター
 「勝てない、だと! 甘く見られたものだな使命あるかぎり私は戦う!

ルウ
 「そうさ、そうなんだ。おまえは使命におぼれたんだ。

ドールマスター
 「なんだと……。

ルウ
 「おまえや、おまえの部下たちは使命のために戦っている。
  だけど……僕は違う。

ドールマスター
 「違うだと? どこが違うというのだ。
  おまえとて、クレアとやらを救うという使命をおびて戦っているはずだ。

ルウ
 「使命か……。最初は、そう思ってた。でも……違ったんだ。

 「使命なんかじゃないんだ。
  僕がクレアを救うのは誰かに命令されたからじゃない。

 「クレアを救いたいと願ったのは……。救うと誓ったのは……。

 「僕の意志だ。僕のこころから生まれた僕だけの想いなんだ。

ドールマスター
 「おまえの……。

ルウ
 「僕の願い、僕の誓い、僕の想いが……。僕のこころが、僕の力になる。
  この意志が消えないうちはどんなに傷ついてももう一度歩き出せるんだ。
  だから……僕は絶対に負けない。

 「僕の意志は、いつも僕とともにあるから。
  僕の願いは、誰にもこわせないから。
  僕は誰かにあやつられる人形じゃないから。
  僕には僕の意志があるから。

 「おまえたちとは……違う!

ドールマスター
 「…………。

 「おまえの意志、か……。

 「ぐうっ!?

 「私は、ヴァレンの使命のために戦い
  おまえは、おまえ自身の意志で戦う。
  そういうことか……。

ルウ
 「…………。

ドールマスター
 「私は使命のためにすべてを捨てた。
  意志も感情も、名前さえも捨てたのだ。それが正しいと信じて。
  だが……意志のない人形が、
  意志を持つ人間を倒せるはずもなかったな……。

 「クレアとやらを殺したあの瞬間に私の負けは決まっていたのかもしれん。
  おまえに、強い意志を植えつけてしまったのだから……。

 「ふっ……くっくっくっくっ……。

 「皮肉なものだ!
  もし、わが額の石が正常なら、3年前におまえを迎えにゆくこともなかった。
  そうすればクレアという女を殺しもせず
  おまえに強い意志が生まれることもない。
  おまえがずっと人形のままだったら争っても私が勝っていただろう。

 「いや……私がクレアを殺さなければおまえと争うこともなかったのだな……。

 「私が失敗作でさえなければ!!

 「いや……。
  私が人形などではなかったら……。
  使命など持たずにいられたら……。
  宿命に縛られていなかったら……。
  きっと……。

 「こんな……ことにはなら……なかった……。

ルウ
 「ドールマスター……。

ルウ
 「クレア……あと一歩だよ。


ヴァレンの間
ルウ
 「あれが……デュープリズム!!

???
 「よく来た、わが子よ。

ルウ
 「!?


ルウ
 「おまえは……ヴァレン!?


 「さよう、予こそがヴァレン。最大最強のエイオン。
  予の尊き名を呼ぶ栄誉をそなたにさずけよう……わが子よ。

ヴァレン
 「ルウ……数々の苦難を乗り越えよくぞ予の聖域へ帰ってきた。
  ご苦労であった。

ルウ
 「おまえは結界の中で眠っているはず……。

ヴァレン
 「湖水の遺跡の封印が解かれた時に予の結界は破れ、眠りも終わった。
  だが眠りより目覚めたのみでは予の復活は完全ではない。

 「見るがよい、ルウ。

ルウ
 「実体が、ない……?

ヴァレン
 「予の肉体はすでに滅び現世に残るは魂のみ。

 「だからこそ、そなたを待っていたのだ。
  そして、そなたは見事に使命を果たした。そなたの大功をたたえよう。

ルウ
 「使命なんて関係ない。
  僕はただ、クレアに帰ってきてほしいだけだ……。

 「ヴァレン、お願いだ。クレアをよみがえらせてくれ。
  僕はそのためにここに来たんだ。
  この願いさえかなえば僕はもう、なにも望まない。

 「彼女の魂は、ここに眠っている……。

ヴァレン
 「それがそなたの願いか。よかろう。そなたの願い、かなえてつかわす。
  だが肉体なき予は、デュープリズムの真の力を発現できぬ。
  クレアとやらを復活させるにはそなたの力が要る。

ルウ
 「僕にできることなら、なんだってする! でも……僕になにが……。

ヴァレン
 「ルウ……そなたの額に輝く石はデュープリズムに小さなかけら。
  わが子よ、祈るがよい。
  そなたのけがれなき願いがデュープリズムを動かすであろう。
  そなたには、その力がある。
  宇宙にみなぎる力の露を結晶した予の究極の魔宝を動かす力が。

ルウ
 「……わかった。


ヴァレン
 「ひたすらに祈れ、ひたむきに祈れ。デュープリズムはかならずこたえる。


ルウ
 「あれは……!


ルウ
 「クレアっ!

 「クレア……。

 「夢みたいだ……。
  ほんとうに……ほんとうに……もう一度君に会えるなんて……。

ヴァレン
 「すばらしい。

 「予のデュープリズムに集められた宇宙の諸力が生み出した、新たな生命。
  その肉体は無限にして純粋なる魔力の産物。
  罪のけがれを知らずに生まれた命のしずく。

ルウ
 「ヴァレン?

 「ヴァレン、どこに……。

ヴァレン
 「その乙女の肉体は、予の魂をおさめるよき器となるであろう。

ルウ
 「!!


ルウ
 「クレア!? どうしたんだ!?

クレア?
 「再臨の時は来た……。

 「今こそ、予はよみがえる!

ルウ
 「うっ!?

 「そんな……おまえは……。おまえは、ヴァレン!?

クレア?
 「さよう……これが予の新しき肉体だ。

ヴァレン
 「喜べ、人形。そなたの願いはかなった。
  そなたの祈りがデュープリズムを動かしこの乙女を再生させたのだ。
  予の……最大最強のエイオンヴァレンの新しき肉体としてな!
  ルウよ、ご苦労であった。そなたは真の使命を果たしたのだ。

ルウ
 「真の使命……!?

ヴァレン
 「さよう。人形の真の使命は予の結界を解くことではない。

 「デュープリズムは力と生命の結晶。
  肉体なき予が用いても真の力を発揮できぬ。
  そう……予がデュープリズムをあやつって
  天上天下を支配するにはどうしても新しき肉体が必要なのだ。
  ゆえに予は人形を遺した。
  封印を解いて予の眠りを終わらせ、
  さらに予の新たな肉体として利用するために。
  それこそが、人形のまことの使命。
  そなたら人形は、予の血肉となるためにつくられたのだ。

ルウ
 「じゃあ……どうしてクレアに! 僕の体を使うんじゃないのか!?

ヴァレン
 「そなたは、この乙女をよみがえらせたかったのであろう?
  使命を果たしたほうびに願いをかなえたまでのこと。予の慈愛に感謝せよ。

ルウ
 「な……。

ヴァレン
 「くくくくく……。この乙女の体、予の魂によくなじむ。
  新しき肉体を得て、予はよみがえる! デュープリズムとともに!

ルウ
 「くっ……。

 「クレアから……出ていけ!!

ヴァレン
 「なんのつもりだ。

ルウ
 「なにが新しい体だ! ふざけるなっ!!

 「僕は、こんなことのためにここまで来たんじゃないっ!
  おまえに利用されたくて戦ったんじゃないんだ!

ヴァレン
 「そなたをつくったのは予だ。そなたのすべてが予のためにある。
  予がそなたを利用するのは自由だがそなたは予に逆らう自由をもたぬ。
  人形に自由な意志など不要だ。

ルウ
 「違うッ! 僕の意志は……。

ヴァレン
 「思い上がるでない。

 「つくられた人形の分際で予への反逆は断じて許さぬ。
  そなたは人形……永遠の奴隷だ。

ルウ
 「僕は奴隷なんかじゃない……!

ヴァレン
 「愚かな人形めが。

 「ならばよし!予に従うのが不服ならば叩きこわすのみ!

 「あかつきの露よ! 守護の光となれ!

 「たそがれの露よ! 浄化の光となれ!

 「使命を忘れた人形ならば打ち砕いて浄化するのみ。
  こわれた心を露と散らして光の果てに消えてゆけ。

ルウ
 「消えやしない……。僕の意志は……消せないッ!!

ヴァレンとバトル!


ヴァレン
 「あかつきの露を打ち砕くとは……。人形め……愚かな人形めが!

 「がっ!?

 「なんだ、これは!?

 「予の魂が拒まれる!?

ルウ
 「クレアっ!!

ヴァレン
 「おのれ……やはり人間の肉体では予の魂の器とはならぬ!
  予の魂を受容できるのは人形の体しかないということか!!

 「ルウ! この乙女を返すかわりにそなたの体をもらいうける!!

ルウ
 「ふざけるなっ! 誰がおまえなんかに!

ヴァレン
 「そなたら人形は、予の永遠の奴隷。予には決して逆らえぬ!

 『ギズモ=ギア=ギアス!!』

ルウ
 「そ……その術はっ!?

ヴァレン
 『露より生まれし者に命ず。いにしえの使命に従い汝、その力を封ずべし!』

ルウ
 「あうっ!?

ヴァレン
 「人形専用の禁術だ。もはや、そなたの意志では指一本動かせぬ。

 「ルウ……愚かな人形よ!
  そなたらは、しょせん予の道具。自由な意志など皆無にして絶無!
  予のために生き、そして予のために死ぬのがふさわしい。

ルウ
 「いや……だっ……! 僕は……おまえなんかに……。

ヴァレン
 「予に逆らう意志は消去あるのみ。
  人形としての使命と宿命を受け入れ予の血肉となるがよい!

???
 『ギズモ=ギア=ギアス!!』

ヴァレン
 「ぬう!?

 「なにやつ!

魔導士
 『露より生まれし者に命ず。いにしえの使命に従い汝、その力を……』
 『解き放つべし!!』

ヴァレン
 「そなたは……ルシアン! そなたまでもが予に逆らうというのか!

ルウ
 「う……くっ……。

ドールマスター
 「なにをしている、ルウ! おまえの力はその程度か!

ヴァレン
 「無駄なあがきだ。人形ごときに予の禁術は破れぬ!

ドールマスター
 「私を倒した、あの力を思い出せ!

 「おまえは、誰かにあやつられる人形ではないはずだ!!

 「行け、ルウ。おまえにはおまえの意志がある!
  その力を……無限の力を解き放ちおまえを縛るすべてを断ち切れ!

ヴァレン
 「ええい……目ざわりな!
ヴァレンの魔法がドールマスターを貫く

ルウ
 「うわああああッ!

ヴァレン
 「なっ……ばかな!? ありえない……人形が! たかが人形が!!

 「ぐおおおお……!?

 「おのれ……人形どもめが! どこまでも予に反逆するか!

 「溶ける……予の魂が崩れてゆく!? 予が……予が消えるというのか!?
  最大最強のエイオンたる予が人形ごときに傷つけられるだと!?
  認めぬ! 予は認めぬぞ!!

 「やむをえぬ! この姿が失われるなら新たな姿に再生するのみ。

 「予の魔宝……デュープリズムの力にて!

 「力の結晶たるデュープリズムはあらゆる光の流れをあやつる魔宝。
  予は光に還り!
  デュープリズムの魔力を得て大いなる光となりてよみがえろう!

 「予は、デュープリズムとひとつになる!!


ドールマスター
 「う……ぐっ……。

ルウ
 「ドールマスター!!

ドールマスター
 「よくやった、ルウ……。おまえの意志の力ならヴァレンの禁術を……。
  われら人形の宿命を破れると信じていた……ぞ……。

ルウ
 「どうして……僕を……?

ドールマスター
 「…………。当然のことだ……。おまえは……私の……。
  うぐっ!?

 「もはや、これまでか……。ルウ……さらばだ。

ルウ
 「にっ……。

 「にいさん……。

ドールマスター
 「ふ……。悪くは……ないものだな。そう呼ばれるのも……。
  ……私の……100年……むくわれ……た……か……。

ルウ
 「あ……ああ……。


ヴァレン
 「予は新生する!!

 「予はまさに究極の光輝となりて炎天のもとに降り立つであろう!!
  姿も心もかなぐり捨ててあらゆる意志と生命を浄化の光で焼きつくす!!

ヴァレンとバトル!


ヴァレン
 「おのれ……!!

ルウ
 「あれは……!

ヴァレン
 「デュープリズムは予の光! 予のすべて!
  誰にも渡さぬ!! 誰にも触れさせぬ!!
  時空の深淵で、再び予とともに眠るのだ!

 「デュープリズムがある限り、予は永遠不滅!
  たとえ幾千年の歳月がめぐり流れようとも
  予は、かならずや新生をとげるであろう!!


ヴァレンの間
ルウ
 「クレアっ!

 「クレア……クレア! 僕だ! ルウだよ! 目を開けてくれ!

 「クレア!!

 「だめ……なのか……? 僕は、また救えないのか……?


ルウ
 「違うっ!!

 「彼女は息をしてる! 生きてる!!
  今度こそ助けるんだ! 絶対に!

 「!?

 「この音は……!?

 「うわあっ!?

 「崩れるのか!?

 「かならず帰るんだ! クレアといっしょに!


広間
ルウ
 「!!

 「まだモンスターがいるのか!?

 「くっ……!

???
 「邪魔よっ!! どけどけーっ!

 「とりゃー!!

ミント
 「ったく、たよりないわね〜。
  この程度のザコぐらいちゃちゃっと倒しなさいよね!

ルウ
 「ミント!?

ミント
 「おっ!? その人、もしかしてクレアさん?

ルウ
 「うん。

ミント
 「ってことは……。あんた、デュープリズムで願いをかなえたのねっ!!

 「えらいっ♪ でかしたっ♪ よくやったっ♪

 「ルウっ!!

ルウ
 「な、なに!?

ミント
 「あたしたち、親友よね? パートナーだよね?
  だから、あたしにもデュープリズムを使わせてくれるよね?

ルウ
 「できれば、そうしたいけど……。

ミント
 「おおっ♪ ナイス♪ よしっ! さっそく世界征服よ!

ルウ
 「でも、デュープリズムは消えてしまったんだ。

ミント
 「なぬー!?!?

 「きっ……きききき消えたぁ!?
  それ、どーいうことよ! きりきり説明しなさいよっ!

ルウ
 「ヴァレンを倒したら、いっしょに……。どうしようもなかったんだ。

ミント
 「そ、そんな……。
  あたしの野望が……。世界征服の夢が……。

 「ぐぬぬぬ……。

 「イヤだっ! 冗談じゃないっ!! こんな展開、納得できないわ!!

 「へ?

ルウ
 「危ない!

ミント
 「うひゃあ!?

ルウ
 「ここも崩れそうだ! ミント、逃げよう!

ミント
 「ううっ、デュープリズムはおしいけど……しかたないわね!


ミント
 「なにしてんの!
  早く! 早く!
  早く早く早く!

岩がふってきて、ルウとクレアが通路に閉じ込められる

ミント
 「ひええええっ!?

 「ルウっ……ルウっ!?


入口
ミント
 「ロッドロッドロッドっ! たたたたたた大変よ〜!

ロッド
 「どうした、ルウはいっしょじゃねぇのか!?

ミント
 「まだ中にいるわ! いきなり岩が降ってきて道がふさがれちゃったのよぉ!

ロッド
 「なんだとぉ!?

ミント
 「こーなったら、力ずくで助けるわ!! あんたのマシンで中に突っ込むわよ!

ロッド
 「ふざけるんじゃねぇ!
  あんなスモールなゲートから入れるわけがねぇだろ!

ミント
 「こいつのバーニングソウル砲で入口をぶっこわせばいーでしょ!!

ロッド
 「そんな便利なキャノンはついてねぇ!!

ミント
 「ええいっ! まだるっこしいっ!!
  だったら突撃するだけよっ!! ムリヤリねじこめば、なんとかなるわ!
  つべこべ言わずにさっさと出しなさいっ!

入口も崩れ始める

ロッド
 「ここはもうダメだ!
  脱出するしかねぇっ! 乗れっ、ミント!!

ミント
 「やだっ! ルウを……ルウたちを置いてけるワケないでしょーが!!

ロッド
 「……そうかよ。

 「ハッ!

ミント
 「んぎゃ!?

ロッド
 「すまねぇな。こうでもしねぇとおめぇを連れ帰れねぇからな。

 「むっ!? 本格的にデンジャーだな。ここいらが潮時か……。

 「ルウ……。すまねぇッ!


聖域内部
ルウ
 「だめだ、びくともしない!

 「僕ひとりなら、通れそうだけどクレアは置いていくしか……。


ルウ
 「…………。

 「できないよ……。そんなの、できるわけない……。

 「ごめん……クレア、ごめん。また君を救えなかった……。
  だけど、今度は……。今度は僕も行く。

 「ずっと、いっしょにいる……。

サイコマスターが現われる

ルウ
 「生きてたのか……!

サイコマスター
 「…………。

ルウ
 「!?

 「この光は……!?
ルウとクレアを脱出させる

サイコマスター
 「これで……よいのですね。ルシアン様……。
 

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